2018年6月29日金曜日

Summer is here. 梅雨明け

(日本語は下に)
In Japan, we have a rainy season between spring and summer--- usually from early June to mid July in our area.  But it came early and is gone early this year.  Having seen blue skies and warm temperatures for several days, our weather agency today declared the end of the rainy season for our area.  
I had planned to visit a local museum on modern literature and take a walk in the Yamanote and Motomachi area, hoping it would not be too hot.  But it turned out to be a day of scorching heat and strong winds, so I decided to take advantage of the municipal bus authority's one-day ticket to move about the city, rather than walking in the heat.

The visit to the museum was to see an exhibition on the Ambassador-poet, Paul Claudel who worked in Japan from 1921 to 1927, and loved various aspects of the Japanese culture.  (Sculptor Camille Claudel is his elder sister.)   He was in Japan at the time of the 1923 Kanto Earthquake, and helped foreign and Japanese residents in the devastated Yokohama and Tokyo.

I'm not well-versed in literature or French culture, but, having grown up in a French missionary school in Yokohama, any "Frenchman in Yokohama" sounds intriguing to me.  I was interested to learn about Claudel, his connection with Yokohama and his unique works.  The exhibition was very well organized with precious items on display, and I was happy to have been able to visit before it ends in a couple of weeks.

It was too hot to have a stroll in the area, so I stopped at a coffee shop in Motomachi before heading home by bus.

史上最速の梅雨明けとか。まだ蒸し暑さは序の口という感じだけど、空はピーカンに晴れ、この先2ヶ月以上も暑いと思うと果たして生き延びられるのか不安になる。

きょうの休みは、近代文学館でやっている「詩人大使 ポール・クローデルと日本展」に行こうと決めていた。きっとまだ暑くないから、山手の丘や元町を散策しようと思っていたのだけど、30度超えの暑さ。気象予報士は盛んに「まだ身体が慣れていないので熱中症に注意!」を繰り返している。平日市内で動くときは車を使ってしまうことが多いのだけど、車だと場所によっては駐車場との関係でけっこう外を歩くことになったり、炎天下に停めた車に戻るとものすごく暑かったりするので、きょうは急ぐ旅でもなし、市バスの一日乗車券(\600なので3回乗れば元をとれる)を利用して、バス乗り継ぎで移動することに。桜木町の乗り換えのついでに駅そばでちょっと腹ごしらえしてから、ちょうどやってきた「赤いくつ号」に乗る。このバスは、既存の路線がカバーしていない、後から出来た観光スポットを回るので、なかなか面白いルートを走っている。バスなので車とは目線が違って面白かった。暑さのせいか、桜木町からワールドポーターズまでとか、日本大通りから中華街までといった短距離でも乗ってる人がけっこういた。


私はおよそ文学には疎く、またフランスについてもまったく詳しくないのだけど、フランス系ミッションスクールに学んだので「横浜ゆかりのフランス人」と聞くとやはり興味をそそられる。カミーユ・クローデルの弟、というのも関心をひく。日本に関心を持ったのは、そのカミーユの影響もあったそうだ。詩人のポール・クローデルが俳句を代表とする日本の短詩や能や歌舞伎などの舞台芸術についても研究し、日本を舞台にした戯曲も書いていたというのは驚きだ。
日本と欧州文化を対比した評論も残していて、その中で、欧州文化において観念とはすべてを言うこと、すべてを表現することなのに対し、日本文化においては、例えば絵画にしても最も重要な部分は余白に残されている、という内容の文章があった。こうした対比は、私が学生の頃盛んだった日本人論などでもよく見かけたが、昭和初期にクローデルが書いていたことに彼の洞察の深さを感じた。そういえば、最近こういう言い方をする人はあまりいなくなった気がする。確かに日本人は余白に残すことが少なくなり、すべてを言うこと、すべてを表現するようになったのかもしれない。だが、それが我々の性分に合っているのかといえば、そうではないような気がする。もしかすると、いまの日本の社会に生じているさまざまな歪は、文化の中に脈々と流れているものと社会の表層に起きていることとの軋轢と関係があるのではないか、そんな気がした。

港の見える丘公園を通る。まだ残っているバラが芳香を放っていていい感じ。
ジブリの某作を見た人ならわかる旗。↓



アメリカ山公園はバラは終わっていて、ユリが暑さに負けず咲いていた。


暑かったので、エスカレーターで丘を下り、霧笛楼のカフェに寄って、地元紙で「日本に初めてフランスレンガを伝承した、アルフレッド・ジェラールのジェラールれんが(カフェのエントランスにある)にちなんだ」と紹介されていた「煉瓦ロール」とアイスコーヒーで休憩。

セールが始まったお店を冷やかしつつ元町を歩き、またバスを乗り継いで帰路についた。

2018年6月8日金曜日

Early Summer Break Day 9 「つゆ休み」9日目

(日本語は下に)
After taking a day to rest from the Disney outing, I drove to Yugawara to  visit the grave of my parents and grand parents as today is the anniversary of my father's death.  The day started with fine weather, and it was really peaceful at the temple's graveyard with no one in sight and birds singing in the woods.
I stopped by at a park along a river in the central part of the hot spring town where I used to play with my cousins as kids.  The river and the area along it were almost unchanged, and the breeze from the water was really nice on a warm day.
Then I drove up the mountain to go to Hakone.  i meant to check the land lot I inherited from my father, but while I was stopping at a museum on the way, the weather changed dramatically and dense fog had set in.  I gave up visiting the site, and came down the mountain early.
Today was my birthday, so I treated myself with a big dinner at Red Lobster on my way. :)


つゆ休み8日目はディズニーの疲れを癒し、9日目のきょうは父の命日なので湯河原に墓参りに行った。
往路の道すがら富士山が見えたものの、雲のかかり方が不穏な感じ。でも海は爽やか。
  

お墓は人がいなくて平和な感じ。ここまで上がると海が見えるからと祖父が選んだ場所なのだけど、いや、上がるのはなかなか大変で。
 

温泉街に下りて、子どもの頃遊んだ公園をチェック。滝は昔のまま。よく遊んだ東屋は立ち入り禁止になっててびっくり。
 


老舗菓子店でかるかん饅頭を買う。かるかん饅頭は義母のふるさと鹿児島の名物でもあるけど、実は湯河原の名物でもある。うちがいつも買っていた店はなくなってしまったようなので、こちらで購入。車の中でさっそくひとつ頬張る。久しぶりに食べたけど、同じようでやっぱり鹿児島のとは違う。こっちのほうが馴染んだ味というのは否めない。
 

湯河原から箱根に回って、父から受け継いだ土地(原野)をチェックしに行くことにして、そのまえに先日話題になっていたピカソを見にポーラ美術館に寄る。

  



エミール・ガレの企画展やピカソもよかったのだけど、江戸時代の化粧道具の展示もよかった。小箱入りの紅が可愛くて、パチリ。
  

さてそろそろ行くか、と外に出たら、霧がおりてきていた。

 

別荘地の道はぐっと狭くて怖いので、きょうは寄らないことにして、湖畔の方ならまだ天気は大丈夫かも知れないからそっちに回ってお茶でも飲むか、と思って行ってみたものの。。。
 

ますます霧は濃くなるし、これで暗くなったらやばいかも。で、早々に下界に下りることにしてヘッドライトを点けて走り出す。


きょうは、父の命日だけど、私の誕生日でもあり(ついでに秋葉原通り魔事件の日でもあり、池田小事件の日でもあり、雲仙普賢岳噴火も。。。)
時間もあることなので、西湘バイパスおりてから片瀬まで走ってレッド・ロブスターへ。
夫が元気だった頃は、誕生日は大抵本牧のレッド・ロブスターで祝っていた。
撮ってもらったインスタント写真が何枚もある。
ふたりでいろいろオーダーしてライブロブスターも食べるのが常だったけど、ひとりでロブスター一匹は無理なので、コンビネーションプレートでひとりお祝い。この店、ひとりってどうなんだろうと思っていたけど、オーダーできるものあるし、好みの味だし、また来よう。

 



2018年6月7日木曜日

Early Summer Break Day 7 TDS 「つゆ休み」7日目 TDSへ

(日本語は下に)

It was raining on June 6th, but I went to Tokyo Disney Sea with my sister thanks to my colleague who gave me tickets.  Tokyo Disney Resort is located on a reclaimed lot, so, you would be standing on the sea when you are at the park.  It's not a place I want to be on a hot summer day, so rain was OK.
I worked as an interpreter over an 8-month period stretching before and after the grand opening of the Tokyo  Disney Land 35 years ago.  So I have special feelings about the TDR.  I haven't had a chance to visit the park for a long time, and actually, this was my first time at TDS.  
It turned out to be probably the least crowded day of the year as a couple of the more popular attractions were closed for the day, and it was also the last day of the park's spring event.  We didn't have to resort to Fast Passes at all, and the longest time we stood in line was for 35 minutes.  The rain got harder later in the afternoon, but we could enjoy indoor shows, and headed home without waiting for the fireworks that were likely to be canceled due to rain.


先日友人からTDLかTDSのどちらかで使えるチケットを譲り受けたので、ディズニー好きの妹を誘って、ふたりの日程がここなら合うという6月6日にTDSに行った。
「6月6日に雨ザーザー降ってきて~」の絵描きうた通り、午後からは結構な本降りの雨になったけど、もともと埋立地のTDR、晴れの日の暑さを思えば雨の方が楽だし、なによりすいているのがよかった。1年のうちでも梅雨時は狙い目、というのは35年前のオープン時から変わらず、この日は人気アトラクションがお休みだったり、春からのイベント最終日というタイミングだったせいでリピーターさんは少なかったのだろう、おそらく今年一番空いていたのではないかと思われるほど空いていた。

それでも入場すると、キャラクターたちと写真を撮るためにゲストが行列していた。

 

まずはインディジョーンズのファストパスを取ろうと歩き出したら、35周年記念の水上ショーが始まったので、しばし足を止めて見る。あ、キャストもカッパ着てる~~

 


インディに行ってみると35分待ちで乗れるというので、ファストパスはやめて並ぶ。
この分なら、どこも空いているからあとは成り行きで回ることに。
だんだん雨が本降りになったので写真を撮らなかったこともあり、そこそこ行きたかったところは回れた。

食べたもの:アラビアンコースとのマンゴームース
 

アメリカンウォーターフロントのサンドイッチ
  


私は35年前のTDLグランドオープン前後の8ヶ月、TDLで通訳の仕事をしていたので、初めて来たTDSでもキャストの動きや施設の配置、案内の表示等に目が行く。TDLを作った時はとにかくオリジナル通りに、というのと、日本の規制や慣習とのせめぎあいがいろいろあったのに対して、Seaはイチから日本で作ったものだから、全体の収まりがよい代わりにやはり日本テイストが前面に出ている気がした。

この天気では花火も中止になりそうなので、18時頃には帰路に。

2018年6月5日火曜日

Early Summer Break Day 2~6 つゆ休み 二日目~六日目

(日本語は下に)
Day 2:  Visited our church's grave for the first time in long while.
My mother-in-law passed away on June 1 11 years ago, so I chose this day to visit the place.  The grave is located in a cemetery in the suburbs, and the church's lot is on top of a hill.  Very few people were there, so I could enjoy peaceful time with nice breeze and sound of birds.

Day 3:  A day to catch up with my house chores and to drop my car at the garage for a check-up required by the law.

Day 4:  I took part in a practice session of Argentine folklore dance.
I took some lessons from late March to April, and I'm still not sure if I really love to dance.  Now that I started with it, I think I should do some more till I can dance more naturally and decide if I really like it or not then.
I could also come to know some women whom I've only seen but haven't spoken to till now.  These are nice people to be around, and I plan to join their sessions again in the near future.

Day 5:  Went to gym for  Pilates and myofascial release lessons before picking up my car.

Day 6:  Went to gym again for a yoga class.

6月1日は、亡義母の命日。義父母の遺骨は教会墓所に納めているのだが、夫が病気になってから、年2回の墓前礼拝もほとんど欠席してきたので、今年は命日に静かに一人で行ってみることに。


  

郊外の墓地の小高い場所にある教会墓所。時期的に墓参する人はほとんどなく、爽やかな風が吹き、鳥の声だけが聞こえる落ち着いた時間を過ごした。いずれ夫もここに納骨することになるけれど、信仰的な意味でも、私の感覚でも、「誰もここにいません~」なのだよなあ。同じ霊園の「第二」の方にある教会員の方のお墓にも寄ったのだけど、ここにはなんとなくその方がいるような気がして、少しおしゃべりしてしまった。いや、それも、これも、私の勝手な自己満足。

翌土曜日は家事にいそしみ、午後車を車検に出す。
 
日曜日はアルゼンチン・フォルクローレの練習会に参加してみた。夫とともにタンゴを踊っていて、タンゴを通じてフォルクローレにも接するようになったわけだけど、正直、自分が踊るのが好きなのかどうかよくわからない。3月後半~4月にマルセロたちのレッスンを取ったので、もう少し身につくまではとりあえず続けてみようというのと、この気持ちの良い仲間たちと時間を過ごしたいのとで練習会に参加したのだ。横浜から千石はちょっと遠いし、教会にも行きたかったので、この日は銀座教会の礼拝に出てみた。以前出席したときと牧師も替わっていたけれど、礼拝がシャキシャキ進む割に説教は長い、というのは相変わらずだった。練習会は期待通り和やかな雰囲気でいろいろおしゃべりもできて、楽しかったけど、練習会なのだから自分の課題をもう少し具体的に持っていくべきだったと反省。次回はちゃんと考えていこう。
 
月曜日はジムで、「はじめてピラティス」と「筋膜リリース」のクラスに出てから、車をピックアップして帰宅。
 
火曜日はジムのヨガクラスへ。その前に、手持ちのカバン類の断捨離。私はちょっと気にいるとすぐカバンを買ってしまうので、使わなくなったものはもう処分しようと棚の上から整理を始めたら、とんでもなくいろいろ出てきて我ながら呆れた。まだ全体の半分弱を見たところなのに、ざっと40個も捨てることに・・・(;^ω^)
しかし、それだけひっくり返しても、翌日のTDS行きにふさわしいのが見つからなかったので、ジムの帰りに以前から懸案だった小ぶりのメッセンジャーバッグを発見して購入。これだから。(笑)

2018年5月31日木曜日

Early Summer Break Day 1 「つゆ休み」(?)1日目

(日本語は下に)

The anniversaries of my father's and my mother-in-law's death fall in early part of June, so I took some days at this time off to visit their grave as well as to have some time to do things outside my routine.

Today was Day One.
First, I visited an exhibition of "Masterpieces of French Landscape Paintings from the Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow"  held at Tokyo Metropolitan Art Museum in Ueno.  There was moderate size of crowd, and atmosphere was nice to enjoy the works.  I'm now reading a novel about Mary Cassatt and Edgar Degas in which Monet and other artists of the time appear.  So it was interesting to get the touch of Paris in those years from the exhibition.

I had lunch at a restaurant inside the train station before heading for Nippori where textile wholesalers are gathered.  I was looking for some coarse cloth to replace the front cover of stereo speakers, but in vain.

Another short ride on a train took me to Ginza, where I visited my favorite Italian cafe, picked up some greeting cards at a Christian store, and checked some music scores before coming home.

For someone who usually drives to most places, I walked A LOT today.
(photos in Japanese section)

6月初旬は義母や父の命日があるし、相続手続きなどでまた時間が必要になることを見込んで休みを取っているので、きょうからしばらく仕事は休み。夏休みには早い、つゆ休み?

きょうはまず、東京都美術館で開催中のプーシキン美術館展へ。
風景がいかにして絵画の題材となってきたか、移動手段やポータブルな画材の発展とともにその地平が広がっていった歴史をたどるという展示は面白かったけれど、水谷豊の音声ガイドがちょっと冗長だったのと、こういう展示ではよく中程にある、映像展示がなく、座って一息入れるきっかけが難しかった。(水谷豊は、右京さんのノリで、「あともうひとつだけ」「細かいことが・・・」の決まりセリフも入っていた。。。)
お買い物はこんな感じ。

 

小腹がすいたので、上野駅ナカの三代目たいめいけんで「たいめいけんランチ」。


山手線で日暮里へ。日暮里駅、初めて降りたけど、上野より南の駅とは違い昭和感が残っていて、ちょっとホッとする。でも、バリアフリー度の低さは問題なんだろうな。

日暮里に行ったのは、夫のステレオのスピーカーカバーを猫がめちゃめちゃにしてしまったのを張り替える布を探すため。だったのだが、不発。麻(たぶん)のざっくりした生地で、似たようなのはあったけど色がなく。一般的にサランネットと呼ばれてるのはスムースな感じでちょっと違うんだよね。どうしようかなあ。。。

また山手線に乗って有楽町から銀座へ。お気に入りのDel Sole で一休み。
 

ここのマッキアート・ドッピオは本当に美味しい。

伊東屋、教文館を回ってアメリカの友人に送る note cards を探し、山野楽器では、ヴァイオリンの肩当ての替えゴムを買い、今度職場のオケでやる曲のスコアをチェック。銀座もいろいろ新しいビルやお店ができているけど、結局行くところはいつも同じ。でも、それが代え難い満足感を残してくれる。

帰りがけ、丁度正時になってマリオンの仕掛け時計が動き出したので、お上りさんよろしく動画を撮ってみたりして(動画はアップできず)、きょうのお出かけはおしまい。


2018年5月8日火曜日

本物に触れる

ふと気づけば、身体の真ん中に抱えていた空洞の存在感が薄くなっていた。

4月のタンゴ・オリジェーロに行ったとき、無意識にレッスンの予定を聞いていたり、
その2日後には、少し前にキャンペーンの折り込みチラシが入っていたスポーツジムに入会の申し込みをしていたり。
格別積極的になろうとか、新しいことを始めようという意識もなく、ぽっかり空いた時間と心の隙間を何かで埋めようというつもりもない。相変わらず毎日面白くないしやる気もないのだけど、私の気分だとか、面白いかどうかなど世の中にとってはどうでもいいことで、それなら自分にとってもどうでもいいことだということにしてしまえばいいのだ、とりあえずちゃんと生きていればそれでいいではないか、という気分で、ただ、「また」と「今度」はないものと心して後悔しないことにしようと。

もしなにかが、抱えていた空洞を埋めたとしたら何なのだろう、と考えてみた。
それは多分、本物のアーツの力ではないか、と思い当たった。

職場オケのつてで聞いたN響の響き、ビュールレ・コレクションプラド美術館展で見た美しい絵画、オリジェーロでのケン・リリ師匠、そしてToki&Midori のデモ。本物に直に触れることが、知らず知らず生きる力を与えてくれていたのではないか。 若手タンゴ・ダンサーによるTANGO EL VIENTOのショー、そしてラ・フォルジュルネに行く頃には、この思いは確信になっていた。

Fine Arts にしろ Performing Arts にしろ、それが人を生かすものだと耳にしてきたし、だからこそ本物は何世紀にもわたって生き続けているのだけれど、これほどその意味を実感したことはなかったかもしれない。すっかり拝金主義になってしまった日本の社会だけど、大切にすべきことを見誤らず、ないがしろにしてしまわないようにしないといけないと思うのだ。

2018年5月3日木曜日

La Folle Journée TOKYO 2018

(日本語は下にあります)
La Folle Journée TOKYO in an annual music event in which various short (45min.) concerts take place in multiple halls all day for 3 days so people can pick and enjoy different types of music in a single day.  I managed to hear one concert by Richard Galliano last year.  This year, with more free time at hand, I decided to spend a holiday there, and bought 3 tickets in advance:  violin and piano, i  Musici, and Richard Galliano.  There was a 3-hour interval after i Musici and I was going to take a break, visiting some free events.  But having heard violin and i Musici, I felt like hearing some wind instruments, so bought a ticket for Royal Northern Sinfonia (Lars Vogt conducting) to hear Haydn and Prokofiev symphonies. Galliano was giving an autograph session after his concert, so I bought his CD and lined up to get one on it.   Pity I can't show it to my husband any more. 
All the concerts were very good: professional and  beautiful.   I was reminded of the importance of practice.  On the train to come home, I was reading a novel about Mary Cassatt and Edgar Degas, and came across a section in which Degas was saying his paintings don't come spontaneously but they are results of hard work.  How appropriate it is to read this section today!
(photos in the Japanese section)

去年はリシャール・ガリアーノのコンサート一つ聞くので精一杯だった、ラ・フォルジュルネ。今年は時間があるので、三つコンサートのチケットを買っておいた。
ふた月も前にチケット買ったので、ガリアーノは覚えていたけど、あと2枚、何を買ったのかすっかり忘れている始末。買った頃はまだ、頭がぼーっとしていたしね。



ひとつ目はヴァイオリンとピアノ、プロコフィエフとラベルのソナタ。
アレクサンドラ・コヌノヴァ、マタン・ポラト、どちらも初めて聞いたけど、曲の理解の深さを感じさせるよい演奏だった。
ふたつ目はイ・ムジチ。以前聞いたのはもう10年くらい前か。だいぶメンバーも変わって、でも音色と息の合い方はやはり素晴らしい。アンコール2曲目で「夏」を疾走。イ・ムジチと言えば四季だから、だからこそその度に圧倒的でなければならず、そのプレッシャーを楽しむかのような演奏が身体に染みとおってきて満足だった。
 

ここで3時間のインターバルを入れて、無料コンサートや売店を冷やかすつもりだったのだけど、弦を聞いてなんだか管も聞きたくなったので、時間が合ってチケットがまだあれば、と売場に行ってみると、ロイヤル・ノーザン・シンフォニアのコンサートがまだあったので列に並ぶ。開演時間が迫ってきてちょっと心配したけれど、このチケットだけ買う人は?と係りの人が前に呼んでくれたので、無事買うことができた。
このオーケストラのことは知らなかったけれど、ゲイツヘッドを拠点とするイギリス唯一の常設の室内オーケストラだそう。ハイドンとそれに倣ってプロコフィエフが書いた交響曲のプログラムだったのだが、ハイドンが鳴り始めたとき、行ったこともないイギリスに郷愁を感じさせる温もりのある音色だった。

ガリアーノのコンサートが始まった途端、ひとつしまったと思ったことがあった。
アコーディオン一本で広い会場なのでPAが入る、ということをすっかり忘れ、スピーカーに近いところに席を取ってしまっていたのだ。(尤も売り切れ間近だったから、そうそう選択肢があったわけでもないのだが。)ほかのコンサートが基本生音なので、失念していたので。出だし、けっこう音量上がっていたのでまいったなあ、と思ったのだけど、その後調節したのと、私としては聞こえのよくない右耳側にスピーカーだったので、じき気にならなくなった。曲目は自作にドビュッシーやルグラン、グラナドスなど。余裕があって隙がない、円熟の演奏だった。終演後、サイン会にも参加。購入したCDにサインをもらって握手もしてもらった。このひとはたぶん英語もスペイン語もイケるんだろうけど、ステージでアンコール紹介のときフランス語だったので、サインをしてもらうときに ”ici, s'il vous plait." と言ったら、”Vous parlez français." と返され、うっかり "Sí, un poco." と答えそうになり、二拍遅れてやっとのことで "seulement un peu." と言ったのだった。(^_^;)



それにしても、どの演奏者もこの裏には膨大な練習があるのだろうなあという弾きぶりで、やっぱり練習は大事だよなあ、と反省しつつ帰路の電車内で開いた本(といってもKindleだけど)で、ちょうどDegasがMary Cassattに、自分の作品は何もせず降ってきたりするものではなく、努力の賜物だと語っている箇所だったのは、あまりにもタイムリーで苦笑してしまった。