2018年11月27日火曜日

11月

このところ、不調で寝込んでいた。
月末に大事な友人と会うので、流行のインフルエンザにかかってはいけないと、今まで受けたこともない予防接種をしたのが敗因ではなかったかと疑っている。

だって、その数日後から始まった症状の展開は、まさに昨冬A香港型に罹患したときとそっくりだったのだから。

数時間で収まったものの発熱したので、一応かかりつけ医には行ったものの、彼女は予防接種の影響とか、あるいは予防接種はしたもののインフルエンザにかかった可能性とかにはまったく頓着せず、通常の風邪薬を処方してくれた。だが、これがまったく効果なく症状は淡々と悪化し、結局一週間余り咳と微熱でほとんど外出もせず、うとうとごろごろと過ごしていた。

熱があると、横になればすぐ眠れてしまう。今はこうしてぐうたらしていても誰に迷惑をかけることもないし(仕事をキャンセルした迷惑は別として)世話をしてやらなければいけない同居人がいるわけでもなく、ほわほわぬくぬくと過ごしていた。

本当なら、まだ寒さがさほどではない今のうちの休みの時間を何回かかけて大掃除をすませておきたいところだったのだけど、結局それも師走に持ち越してしまいそうだ。今年は喪中だから年始の準備もさしてすることがあるわけではないから、それでもたぶん不都合はないのだ。「この1時間であれとそれとこれを片付けておかないと、次はひと月後まで手をつける暇がない」という生活をしていた頃との落差!

一昨日は咳も収まってきたので、前回お休みしてしまったオケの練習へ。
2ndVnはまさかの3人でオモテが私しかおらず、トップに座る羽目に。
指揮者が注意したいのをガマンしているのがわかる。音程悪くてごめんなさい。
ずっと避けていたメトロノーム練習がやっぱり必要と再認識したし、まあ、できないから練習するわけだからよいセッションではあったのだ。

昨日は雑司が谷エル・チョクロへ、トリオ・ロス・ファンダンゴスを聞きに。
彼らには異例の今年2回目のエル・チョクロ、そして初めてのTLFのみでの演奏。
今回の東京は3日目とあって、谷本さんのMCも3人の演奏も全速力で駆け抜ける。
駆け抜けるのだけど、タンゴのグルーブは崩さないところが彼らの技術の高さと研究の深さ。聞くたびにその安心感が増して、音楽に身を委ねることができる。同じ時代に同じところに居てくれて、ありがとう。なんたって、大阪弁のCafe Dominguezのレシタードが聞けたもんね!


2018年11月2日金曜日

秋も深まり

ふと気づけば、もう11月。

このひと月ほどの間には、ライブに4回行った。
9月30日の台風の夜にさくらホールでコロール・タンゴ。
なんでも音楽祭期間中の横濱エアジンには10月13日、14日と連日出かけ、
KaZzma&須藤信一郎のタンゴとギレーヌ、ジャン・セバスチャン、齋藤徹のインプロ。
そして10月27日には平田耕治&アリエル・サルディーバルをみなとみらいホールで。

こんな風に立て続けにライブに行ったのも久しぶり、というかあまりないことだったけれど、それぞれに印象深く、心地よい時間を過ごすことができた。

コロール・タンゴは、プグリエーセ直系でオルケスタYOKOHAMAとはいわば兄弟のような楽団。見ていると、第2バンドネオン奏者の弾き方、身体の使い方が夫とそっくり!同じ局を同じ編曲でやっていて同じパートを弾いているからと言えばそれまでだけど、実はバンドネオン奏者も一人ひとり身体の使い方は違う。なのに、この人は本当によく似ていて、なんだか可笑しいやら嬉しいやら。そして、そんなことを思っているのはこの会場に私しかいないだろうと思ったらますます可笑しくて、笑いを堪えるのが大変だった。
そのとき思い出したのだが、2005年にオルケスタYOKOHAMAがブエノス・アイレスのSala Puglieseという会場で演奏したとき、終わってから私が夫と話していると一人の年配の女性がやってきて、私がすこしスペイン語がわかるというと、是非夫に伝えて欲しいことがある、と言う。なかなか言いたいことがわからなくて苦労したのだけど、ようやくわかったのは、「最近のバンドネオン弾きはあなたのようにクラッシックな(昔からの古典的な)スタイルで弾いてくれない。きょうは、あなたの演奏を聞くことができて本当に嬉しかった」ということだった。コロールの2番の人も、同じ先生から同じように習ったのかもしれないなあ、と思いつつも、台風で電車が止まる前に帰らなければいけなかったので楽屋に訪ねることができなかったのが心残り。前回来日時には東京公演のさなか、東日本大震災が起きて公演はキャンセルされてしまい、今度は台風と自然災害にたたられるコロールだけど、いつかまた来て欲しい人たちだ。

KaZzmaと須藤信一郎はそれぞれに別の形で聞いていて、Duoは初めてだったけれど、これからの可能性が楽しみな演奏だった。他では聞けないような曲目にも意欲的に取り組んでいるし、次の機会が待ち遠しい。

徹さんは、がん(ご本人はキャンと呼ぶ)と付き合いながら演奏活動を続けている。なかなか聞きに来られなくてやっとこの日のインプロを聞いたのだけど、ひさしぶりのインプロということもあり、また徹さんの状況ということもあり、毎回のライブは一つ一つ特別なのだ、という、当たり前だけどつい忘れてしまいがちなことを強く感じる、印象深いライブだった。3人からあふれ出るポジティブな気がとてもありがたかった。

平田君とアリエルは最初はカンバタンゴでツアーをしていたけれど、このところはDuoで回っている。夫が病気になってからは、ツアーの合間を縫ってうちに来て演奏してくれていた。みなとみらい小ホールにはアルゼンチン大使、公使もみえていた。一緒にやってもう10年になるという二人の息はぴったりで、ここからまた遊び始めるとどんなに面白くなるだろうとこちらも楽しみな演奏だった。
11月4日横浜パラダイス・カフェが今回のツアーの千秋楽なので、お時間のある方は是非足を運んで欲しい。


ライブに行くことが続いたのは、聞きたいものが続いたこともあるけれど、主体的に何かするための気力がない中で、聞くことは受身でもなんとかなるので行くことができた、というところがある。タンゴを踊るとか、さらにフォルクローレなんかは自分で動かなければいけないから、かなりエネルギーが必要で、このところは足遠くなってしまっている。

それでも11月1日は、マーシー&マギ主催のViva La Milongaがあと2回ということで、仕事も入れていなかったから顔を出すことにした。

午後新宿の美容院に行って夕方には終わるから、軽く食事をして大崎に向かう、
というシンプルな移動だったのに、ちょっとハプニングが。
美容院が早めに終わったので、食事場所を探しがてら新宿タカシマヤをぶらぶらしていたら、ヨガウエアが目に留まった。ここで買い物するとどっかに忘れるだろうなあ、と思ったのだけど、期間限定ショップだったので買うことに。


上階のちょっとよさそうなお蕎麦屋さんに入ってゆっくりしようと思ったら、案外そばが早く出てきてしまったので、少し早めだったけど、どこかで差し入れを買って大崎に向かうことに。湘南新宿ラインが来ればそれに乗ろうと思ったのだけど、10分以上待つ感じだったので山手線に乗り、そうだ、大崎にはあまり店がないから手前で降りて行こう、と思い立ち、目黒で下車。駅ビルのお店をチェックして差し入れを買ってから、さあ行こう、と表に出て歩き出すと様子が違う。あれ?なぜ?

あーーーー!大崎の手前は目黒じゃなくて五反田じゃん!

何やってるんだ、自分。もっと早く気がつけ、自分。
慌ててまた電車に乗り、ばたばたと五反田から小走りに会場へ向かう。
レッスンは始まっていたけど、なんとか準備体操のうちに滑り込むことができた。
とても充実した、大切なことを教えてくれるレッスンで、がんばって来てよかったし、
その後のミロンガもみんなとても大切に踊っていて、予想以上に楽しく過ごすことができた。

よい気分で帰途につき、終バスで座れてほっとして携帯を見ると、マーシーさんからメッセージが来ていた。

「高島屋の袋をお忘れではありませんか?」

あちゃーー、やっぱり忘れた。。。
やり取りの末、来週取りに行きますと言ったのに、ベッドに入ってふと気づいた。
来週は仕事で行かれないから、きょう行ったんじゃん!
なんかダメダメな日だなあ、と思って寝てみた夢は、
何回やってもでんぐり返しができない
というもの。なんなんだ。。。。

いや、無意識にどこか心が落ち着いていない理由はきっとこれだ。

明日、11月3日、教会の墓前礼拝の中で夫の納骨をする。
骨は骨でしかないけど、やっぱりそこにあるものがなくなることに落ち着かなさを感じてしまうのかもしれない。