2019年2月26日火曜日

Haunted Manor 幽霊屋敷

(日本語は下に)

"Haunted Manor" is a Polish opera by Sanislaw Moniuzko.  It was written in 1861-1864 when Russia controlled most of Poland.  The story depicts the life and the values of the respected class of soldiers in Poland at the time.  It is one of the most popular operas in Poland, but is little known outside the country.

I had a chance to hear the opera presented in a concert format as the choir my sister takes part in was part of the production last Sunday.  It was the first time the the work was to be presented in Polish in Japan.  Singers had to spend a lot of time learning to sing in the unfamiliar language.

Many people showed up to the hall in the suburbs of Tokyo maybe because they were interested in this rare opportunity to hear this opera.

I'm not a great opera fan, and have seen only a few operas in my life.  I didn't have much expectation with this opera because so little is known about the work.  But as it turned out, it was very enjoyable work, both in terms of story and music.  I would love to see and hear this work with costumes and all some day.

One of many Polish among the audience who was sitting near us was apparently enjoying the opera very much.  She was singing along some of the arias, which showed that this is truly a very popular opera in Poland.

I don't imagine that there will be many occasions for "Haunted Manor" to be put on stage anywhere in the world except Poland.  But if you have a chance, I recommend to hear it.



「幽霊屋敷」はポーランドの作曲家、スタニスワフ・モニューシュコが1861年~1864年に書いたオペラである。当時ポーランドは、ロシア、プロイセン、オーストリアの分割統治下にあり、この作品も上演までに何度もロシア当局の検閲を受けた挙句、「士族」の暮らしを通して愛国心や勇気を強く感じさせる内容があまりにも観衆を熱狂させたため、3回の上演で舞台から下ろされてしまったという。(プログラムより)

2月24日、姉が活動している合唱団がこの作品の本邦初ポーランド語での上演(コンサート形式)に参加するというので、はるばる立川まで見に行った。

私はオペラファンではないし、今まで見たオペラも数えるほど。ましてや今回の作品はあまり知られていない作品だし、正直余り期待はしていなかった。
この珍しい機会を逃すまいとした人が多かったのか、会場は満席に近い盛況だった。ポーランド人の姿もそこここに。なんだかみんな、ワクワクしている様子。なんでもポーランドで一番人気のあるオペラだとか。そうなのか。

実際に聞いてみると、これはなかなか優れた作品だった。(えらそーに言う)
ストーリーも面白かったし、音楽もよく構成されていた。
ポーランド語での演奏で、出演者は本当に大変だっただろうと思うけれど、感情表現も豊かで聞きごたえがあった。歌詞にはけっこう聖書や信仰生活を下敷きにしたことばが使われていたのだけど、「神の存在を感じて暮らしている人の台詞」であるために歌手の人たちも感情移入しやすかったのか、深いよい表現になっていた気がする。これがいわゆる宗教曲の場合だと、信徒でない人が歌っているとどうもしっくり来ないことが多いのだ。そういうところでも、今回は聞きやすい公演だった。

私たちの前の列にいたポーランド人の女性が終始ノリノリで楽しそうに聞いていて、アリア(バリトンなのに)を一緒に歌っているのを見て、ああ、この作品が国民的作品だというのは本当だったのだ、と印象付けられた。

ポーランド以外ではめったに演奏されることのないであろうこの作品、いつか演奏会形式でなくオペラで見てみたいものだ、と思う。

2019年2月10日日曜日

1年経って

当然のことながら、キリスト教では法事は、ない。
そもそも西洋では命日より誕生日で亡くなった人のことを覚える習慣だ。
それでも、クリスチャンであっても日本的風習から逃れられない人は、家族の命日に「記念会」なるものを持つことも多い。短い礼拝をして会食する、というのが定番か。

うちでは義父母のために記念会はしなかったので、夫も別にそういうことは望んでいないと思ったし、親戚もみんな遠いしクリスチャンではないし、なにもしないつもりでいたものの、この日に横浜でとしゆき&菜穂子さん主催の定例ミロンガがあることに気づいた。ここでは、夫の病気がわかったときに徹さんとTLFがミロンガをしたいと言ってくれたのをとしゆきさんが引き受けてミロンガをしてくれたのだった。あんなミロンガがまたできないか、という妄想をとしゆきさんに持ちかけたら、是非実現しましょう、と言ってくださったのが11月。それから声をかけた方々がみなさん二つ返事で引き受けてくださり、思いがけず豪華版のミロンガが開けることになった。

ミロンガのまとめはケンジさんがうまく書いてくださったのでそちらを。

そこに書いてない裏話をいくつか。

夫の部屋にオルケスタYOKOHAMAのライブ録音CDがあったのを、ミロンガ来場者にプレゼントすることを思いついたのだけど、あるのは35枚。人を選んで、というわけにもいかないので受付でくじ引きをしてもらうことにした。くじ引き係りはTLFなおこさんのお子さん二人。何人来るかわからない中ではずれくじを幾つ入れるか悩んだ挙句、確率2分の1に設定。全員への参加賞としてチョコレートの小箱80個用意。最終的には入場者は86名だったそうだから、全員にはチョコは渡らなかった模様。ごめんなさい。でも、確率2分の1とは知らないみなさん、当たりですごく喜んでくださってこちらも嬉しかった。

夫のもう一組のダンスの師匠、Eugene y Alisaにも実は出演依頼をかけていた。生憎他のイベントの先約がありNGとのことで、アシスタント時代をよく知っているMarcy & Magiに代役をお願いしようかとも思ったのだけど、いや、彼らには他の仕事があればそっちを優先して欲しいから声をかけないでおこう、だいいち、TLFだけだって雪を降らせそうなのに、Marcyさんを呼んだら荒天確定してしまう、と思って声はかけずにおいたのだ。でも、親の心子知らず(?)スケジュールをあけてやってきてくれた。去年、Marcy&MagiのところでTLFがライブミロンガをしたとき、誰も踊りださなくてMarcyさんと私がデモ状態になってしまったことがあった。今回は守さんの歌がはじまったところでMarcyさんが目配せしてきたので、意図的にデモ状態を再現。あー、面白かった~。

なので、彼らも招待して太田なわのれんで打ち上げ。
 




予想以上に大勢の方が来てくれたミロンガ。
半分以上の人はおそらく夫のことは知らなかったと思う。
いつも来ているところだから、ファンダンゴスが来るから、ケンリリさんが踊るから、いろんな理由で来てくれた人たちが、みんなとてもいい顔をして踊っていた。
早い時間から来ていた常連さんとおぼしき人たちからしてすごくいい表情で踊っていたから、これまでここでとしゆきさんたちが積み上げてきたものが本当に大切にされているのだと思った。そこに後から来た人たちも溶け込んでいく。
それから、特別な企画であることを通して、タンゴを介してこれだけの人たちが直接間接につながり合って奇跡のようにいま、ここに一緒にいる、と感じることで、今目の前にいるこの人との時間を大事にしよう、とみんなが感じていた気がする。
TLF+徹さんの音楽の力が、ノーギャラなのに本気でいい音作りを手伝ってくれたえじーさんによってさらに増幅され、場を作っていったのだと思う。

私はもともと、自分が楽しみたいという欲求よりは、他の人の役に立ちたいという思いのほうが大事で、ひとりになってからは余計に自分ひとり楽しいからってそれが何?と感じることが多く、そんな思いをもてあます日が続いていた。このミロンガで、みんなが楽しんでいるのを見て、口々によいミロンガだった、楽しかったと言って帰っていくのを聞いて、本当に嬉しく、ああ、私はやっぱりそういう人間なんだなあ、と改めて思ったのだった。


以下はあれこれ頂き物。