2017年5月7日日曜日

連休

今年の黄金週間はうちのあたりについて言えばずっと天気が良かった。
これだけ好天に恵まれたのは久しぶりのことのように思う。

もともと人ごみが好きではないので、祝日の外出はむしろ避けたい方なのだが、この時期はさすがに気候がいいので、連休が近づいてくるとなにかそれらしいことがしてみたいとも思うのだ。

祝日でもナースやヘルパーは普段通り来てくれるので、仕事が入っていない日は15時頃から21時頃まで外出できる。とはいっても、都内に出るなら、実際使える時間は16~20時くらいだかかなり中途半端な時間帯では、ある。

幸い5月3日は、恵比寿のラ・バルドッサで16:30~19:30という絶好の時間帯でミロンガがあったので大喜びで出かけた。ミロンガは普通20~23時くらいの開催だけれど、バルドッサは祝日にこういう企画をしてくれるので、昨秋も伺うことができた。ここでレッスンしたりしていたわけでもないのに、「ホーム」な感じで温かく迎えてくださるのでたまにしか行けなくても敷居が低くて嬉しい。たとえ知り合いが少なくても、踊っている人たちの幸せな表情を見て良い音楽に浸れれば十分なのだけど、行ってみれば案外顔見知りの方もいらしたし、週末の韓国選手権に出場する仲間たちを励ますひとときもあって楽しい時間になった。

5月4日は、東京国際フォーラムで開かれた「ラ・フォル・ジュルネ」に行ってきた。
このイベントはテレビでも度々紹介されているので知っていたけれど、これまでは行く機会がなかった。少し前にひょんなことからアコーディオン奏者のリシャール・ガリアーノがここに来るというのを聞いてタイムテーブルを調べてみたら、4日17:45~18:30という奇跡的に私が行ける時間だったので、残り数枚になっていたチケットの1枚をゲットしておいたのだ。せっかくだから、もう一本前の時間帯のコンサートも聞こうかとも思ったのだけど、イベント全体を楽しむ企画もあるようなので、今回は聞くのはガリアーノ1本にした。
16時前に会場に着くと、屋外の屋台村からいい匂いがしてくる。ケバブ、ソーセージ、カレー、焼きそばなどなどある中から、「エビパッポンカレー」をチョイス。思ったより辛くなくて美味しかった。
そのあと地下のホールEに降りると無料コンサートが始まっていた。席はもちろん埋まり大勢の立ち見。メキシコとコロンビアのアーティストによるフォルクローレ系の音楽だったのだけど、ああいうビートのある音楽をあまりに大勢の人が微動だにしないで聞いているのがなんだか居心地が悪くなったので、2曲半聞いてそこを離れ、周りに置かれた音楽関係企業のブースや物販コーナーを見て回る。実は私、こういう場所の物販コーナーを見るのが好きである。たいして珍しいものがあるわけではないとわかっていても、ひょっとすると気に入るものがあるかもしれない、とついつい端から端まで見てしまう。
  


Tシャツと少しお土産を買ったらレジで結構並んだので、トイレに寄ってホールCに入ったときはもう開演寸前!あまりにぎりぎりだったせいかプログラムをもらえなかったのだけど(周りの人が持っていたのでそういうものが配られていたと知る)、ピアソラ~ハチャトリアン~バッハ~ヴィヴァルディと知っている曲ばかりだったのでノープロブレム。口開けのピアソラのとき音が丸い感じで、3階席だからこんなものなのだろうか、と思っていたらあとになってもっとキレが良くなってきたので、PAの作りの問題だったよう。ホントはピアソラが一番とんがってて欲しかったんだけど。アコーディオンと弦楽六重奏というスタイルはたぶん初めて聞いたけれど、弦はやはりバッハ~ヴィヴァルディがよかった。ガリアーノのアコーディオンは「どうだ!」という感じがなくて、なのにすごく難しいことをさらっと弾いていてかっこよかった。でも、やっぱりフランス人、アンコールのミュゼット調自作曲が一番しっくりきてたかな。
それにしても、ホールで聴くコンサートっていったいいつ以来だっただろう。。。

5月5日、鹿児島から夫の従兄が東京に用事があるので寄りたい、と言ってきたのが数週間前。午後の早い時間、ナースが来る前なら、とわがままを言い、バスに乗ったというメールを見てバス停まで迎えに出ると、最初に降りてきた従兄の後ろからお連れ合いとふたりの娘さんも!え~みんなで来るなんて聞いてない~ 嬉しいサプライズ。みんなに会うのは5年前夫の病気が分かって、この先もう来られないかもしれないからと二人で鹿児島を訪れて以来。あの時も5月4~5日一泊だったので、きっかり5年ぶりだ。今回は長男の結婚相手が決まり、そちらのご家族への挨拶のために新潟と東京に出かけてきたのだという。(長男は一足先に鹿児島に帰ったので我が家には来られず。)みんな全然変わってないし従兄も老けてない、と思ったけど、この間心臓ペースメーカーを入れたり弁を生体弁に替えたりと大手術も経験したそうで、鹿児島人だから芋焼酎をぐいぐい飲んでいた従兄が今は飲まないと言う。それでも飛行機に乗ってこちらまでやって来られるほど元気なのだから、それがなによりだ。義母の話やほかのいとこたちの話、夫が小学生の時一家で鹿児島を訪れた時の写真を持ってきてくれてその時の話もして、楽しいひと時を過ごすことができた。
考えてみれば、盆暮れ正月ではないときに親戚と会うには、この連休はいい時期なのかもしれない。行事に振り回されず、明るい光の中で思い出話や若い人たちの将来のことを話すのは実に気持ちの良いものではないか。

とまあ、こんな感じの連休だったわけだけど、実は前週末は夫の体調が芳しくなかった。
気管の痰がなかなか排出できず呼吸困難状態で、度々カフアシストを使ったりタッピングをしたりしていて、ひとりの時に急変することも考えられますとDr.にも言われるくらいだったのだ。
幸い頑固に張り付いていた痰を取ることができて、また新たに処方してもらった薬の効果もあって落ち着いたので、私も連休を予定通りに過ごすことができたのだった。
ALSの場合「突然の呼吸困難により・・・」というのは度々耳にしていたことで、その覚悟はできているのだけど、あまり苦しいのはかわいそうなのでなんとか穏やかに過ごしていければなあ、と思うのである。

2017年4月10日月曜日

Gyoza de 誕生会

 
雨の週末、いつもの仲間と夫の誕生会をした。
 
ALSと診断されたのが5年前の3月だから、それから6回目の誕生日を迎えたことになる。(あと1年か2年と言われていたのだから、医者なんてあてにならない。)
 
5年前は地元で屋外ミロンガに行って、そこで落ち合った友人たちと中華街のシュラスコ屋に行って、「もうこんな機会はないかもいしれないから」と夫がご馳走したのだった。
 
いまは口から食べることはやめてしまっているので、いっしょにご馳走を食べる、というわけにはいかないけれど、誕生日という機会に気のおけない友人たちが訪ねてくれるのはとてもありがたく、楽しみなひとときだ。
 
いつも声をかけるメンバーの中心は、まだ夫が病気になる以前からGyoza de tangoと称して餃子を作って食べるホームパーティーをしていた仲間で、タンゴが共通項であるものの、他の音楽やダンス、旅、料理といったそれぞれの趣味が複雑に重なり合っているので、おしゃべりがすこぶる楽しい人たちだ。みんなのハブ的存在だったカップルが今年に入って転勤で引っ越してしまったので、今回初めて欠席だったのがちょっと寂しかったけど、餃子は(私が初めて餡を提供したのも含めて)美味しく出来たし、エジプト旅行や、幸手や千葉や浅草の桜の写真も見せてもらって夫も花見ができたし、よい日になった。みんな、ありがとう。
 
 
PS:手術から一ヶ月、さのすけのカラーもようやく外れました。

 
 
 












2017年3月16日木曜日

猫の入院・手術 再び

2月15日、カラーも取れてあとは膀胱が膨らんで以前のように用たしできるのを待つばかり、になっていたさのすけ。手術のあとはあまりお腹マッサージをできないので、きっと便秘対策のためにまた通院することになるから、術後のチェックもその時に、と思っていたら、数日おきに薬を飲ませれば排便があったので、病院に行かないまま月末まで過ごしてしまった。

そういえば、なかなか尿の出方が回復しないなあ、そろそろひと月だし一度病院に行こうか、と思っていた3月6日、何度もトイレに行くのにポタポタくらいしか出なくなってしまった。
この日は担当医が休みだとわかっていたけれど、このまま腎不全になっては大変なので急いで病院へ。診てくれた院長によれば、先に小さい結石のかけらが詰まったところが、石をカテーテルで押し返したりまた詰まったりしたことで閉塞してしまっていて、それで尿が出なくなっている、とのこと。この可能性は先月の手術前にも指摘はされていて、その場合は会陰尿路増設手術というのをするのだけど、巨大結腸との兼ね合いもあるので一緒にはやらないで様子を見ましょう、ということだったのだ。やはり詰まってしまったので、ここは手術のほかに選択肢はなく、このまま入院、翌日手術、ということになった。

思いがけず入院になって、不満そうなさのすけ。
 
 
手術は翌日無事終わり、傷口が落ち着くまで数日入院、とのこと。
二度目の入院・手術のせいか、さのすけは余裕綽々。
 
   
 
 
病院に居るとあまりご飯も食べないので、ぎりぎり大丈夫なところで10日の金曜日に退院。
本当は午後早めに退院して、何かあったら診療時間中にもう一度行けるようにしたかったのだけれど、先生も手術等あって忙しいので18時過ぎにと言われ、18時半ころ迎えに行った。
今回はもともと中にあった粘膜を反転させて外に出す処置をしているので、そこが綺麗なるには約1ヶ月かかり、それまで舐めたりすると傷が開いてしまうのでカラーは絶対外さないでください、とのこと。これはなかなか大変だ。
 
 
帰宅して夕食の支度などで忙しくしていてふと見ると、さのすけのカラーに血が付いている!
前回より大きいカラーなので傷を舐めようとしても届かないはずなのに、なぜ?
見ていると、届かなくてもお尻を舐めようとするので、その首を振る動作でカラーの縁が傷口に当たって擦れている模様。
 
とりあえず手近にあったサージカルテープをカラーの縁に貼ってみる。それでもまだ固くて刺激になっていそうなので、さらに脱脂綿を細長く切って巻きつける。猫を押さえていてくれる人手があれば、カラーを外してきれいに貼って改めて装着するのだが、なにせ手がないのでさのすけの首にカラーを付けたままでの作業。不器用な私なりに、なんとかぐるりに貼ってみる。
しばらくして傷口にアルコールティッシュを当ててみると、出血はどうやら収まった模様。
しかし本当に大丈夫か、確信が持てない。
 
病院に電話してみたけれど、既に留守電。しかたなく、病院で紹介している夜間診療センターに電話してみる。ここは、あくまでも夜間専門で、かかりつけへのバトンタッチ診療をやっているところ。うちのかかりつけの病院はかつては24時間対応をしていたのだけれど、当直一人では対応しきれない件数が夜中に来てしまうので、数年前にこの方式に変わったのだ。
電話で状況を説明すると、「見てみないとわからないですけれど、『お母さんが』ご心配ならいらしてください」と、まあ、当たり前の返事。
 
 てか、お母さんとか言うな!
 私は猫の母ではない!
 
それはともかく。
今は混んでいないというので出かけていく。
新しくて明るくおしゃれな雰囲気。診察室のドアがいくつも並んでいる。夜中はここがいっぱいになったりするのかな。
診てくれた若い男の先生、丁寧に話を聞きメモを取る。さのすけのことを「さのすけさん」と呼んだのはこの人が初めてだ。新鮮 ( ̄▽ ̄)
傷は開いておらず大丈夫だと思うけれど、どういう手技でやったかわからないので、かかりつけでチェックしてもらってください、とのこと。カラーの擦れの問題を相談すると、こういうのがあります、と少し細身の透明のカラーを持ってきてくれた。ちょっと長いのでこのままだとごはんが食べられそうもないけれど、とりあえず購入する。きょうの診察のことはかかりつけ病院にファクスしておいてくれるそうだ。そうそう、診療代は提携病院ということで一般の半額だった。
 
帰宅してみると、この透明のカラー、見通しが良くていいかと思ったら、むしろ距離感が取りにくいらしく、さのすけが持て余している。つけているとやはりごはんが食べられないし、ごはんはまだしも、好きな時に水が飲めないのはとても困るので、もとのブルーのカラーに戻し、この問題は翌日かかりつけで相談しなおすことにした。
 
翌11日(土)朝、かかりつけ病院の会長から電話。
「ファクス受け取りました、きょうは9時から19時までやってますので、なにかあったらいらしてください。」
ありがとうございます。でも8時に電話してくれなくていいから。。。眠い。。。
 
午後さのすけと病院へ。傷が大丈夫なことを確認してもらい、カラーのことを相談する。
緩衝材を巻きつけることも検討したりしたあと、フチ取りのあるカラーがあることがわかり、少々小ぶりながらたぶんお尻までカバーできるだろうということでこちらを採用。念のため、同じタイプのもう少し大きいものと、前に使っていたブルーのカラーも借りてくる。
 
  
 
 
さらに、カラーが後ろにずれてしまわないように、筒状の布を切ってネックウォーマーのように首に通してカラーの後ろで留める。
これでなんとか傷を舐めることは防げそうでほっとする。
とはいえ、カラーをしていると毛づくろいもできずストレスもたまるので、初日は落ち着かずわあわあと鳴いていた。朝出窓に乗せてやり、モーツァルトを聞かせたらかなり落ち着いたあたりはさすがさのすけである。
 
朝晩カラーとネックウォーマーを外してブラシをかけてやり、傷口もアルコールティッシュで軽く押さえ、カラー自身も汚れを拭き取って傷が汚れないようにする。やれることはやっているのだけれど、いったいどういうふうに傷が治っていくのかイメージがわからないので、なかなか乾いた状態にならず、縫い目が立ってきたりしてだんだん不安になる。明日の夕方はもう連休前で道も混んでしまうから、きょうは本当は美術館に行くつもりだったのだけど諦めて、摘便も兼ねて病院に連れて行った。傷の状態は、粘膜なのでまだ時間がかかるだけで、あれで大丈夫です、と言ってもらい一安心。それでも、カラーがカバーしているのはお尻の手前ぎりぎりなので、何かの拍子にお尻を舐めていないかチェックするのは忘れないようにしよう。
 
カラーをしていると鼻先より前に障害物がある格好になり、床に置いたお皿からごはんを食べるのは難しかろうと、二個のお皿を底合わせに貼って高さを出してやっていたのだけれど、ふと気づけば床に置いたシズカの皿からごはんを食べているし、2階に行こうとしないので、やはりカラーを付けて階段を上るのは難しいんだな、と思っていたら、昨日は人が来たらひょいひょいと2階に避難して行った。なんだ、大丈夫なのか。恐るべし、猫の適応力。(^_^;)
 
あと2週間あまり、カラー生活が続くけど、早く良くなって欲しいなあ。



2017年2月23日木曜日

猫の入院・手術 3

12日、さのすけは少しずつ食欲も元気も戻っているのだけど、尿の出方がまだちょびちょびなので病院に電話してみると、膀胱を切っているのですぐには元通りに膨らまないため少しずつしか貯められないからだと思うけれど、見てみないと確実なことは言えないので心配なら連れてきてください、と言われる。やっぱり念のため、は必要な気がして連れて行く。

幸い病院は空いていて、A先生にすぐ診てもらえた。お腹を押してみるときれいな尿が出たので、ああ、これなら大丈夫です、ということで、このあと問題がなければ一週間後に抜糸に来てください、ということでほっとして帰宅する。ただ、お腹の傷が治るまではマッサージができないので、便秘の方が先に来てしまいそうで気がかりだった。

翌日は私も仕事に行って、さのすけのこともあまりちゃんと見ていなかったのだが、度々トイレに行くのでおしりの方は気にしていたけれど傷口を舐めている様子はなかったので、引き続きカラーは使っていなかった。
ところが夜中にふと見ると、お腹を舐めているように見えるではないか!

「さのちゃん!」と声をかけると、お腹を覗き込んだその格好で固まるさのすけ。。。
やっぱり。。。
即カラーを付けたものの、椅子やテーブルが混み合って動きづらいところでカラーはやっぱり難しいのではないか、いまはそこで夫が寝んでいるのでガタガタ動かすわけにはいかないし、明日また考えようと思い、カラーを外して床に戻った。

なんだかドキドキして眠れないまま、放っておいて傷が開いてしまったらどうしよう、ここでカラーを付けなかったために傷が化膿したりすれば却って大変なことになるかもしれない、いや、多分大丈夫、でも、とあれこれ考えてしまう。さのすけは勘の良いコだから障害物があっても大丈夫だろう、やっぱりカラーは付けたほうがいい、と思い直し、また起き出してカラーを装着。少し椅子の位置などを変えて通り道を確保し、トイレの蓋を外してカラーを付けていても中には入れるようにしておく。なにかあれば、きっと大声で鳴くから大丈夫、と自分に言い聞かせて眠りにつく。

翌朝見てみると、あちこちぶつかったりかすったりしながらも、なんとかやりくりしているし、トイレは無事使えている様子で一安心。傷のところを見ると、どうも糸がほどけて縫い目もよじれているように見える。今日はまたA先生は休みかも知れないから、明日電話してみることにする。

15日(水)、電話した上で一応診てもらうためにまた病院へ。
ひと目で「あー、これなら大丈夫ですね~ あ、この糸も抜けちゃいますね」と2センチほどの糸を引く。これは一番外側をばってんにしてるだけで、この下も縫ってあるので大丈夫です、とのこと。やれやれ。でもカラーは外さないでくださいね、ということなので、帰宅してから外してしばらく首の周りを掻いてストレスを発散させてから付け直す。

カラーにも慣れてきたさのすけは、カラーのままいつの間にか私のベッドにも潜り込んでいるし、心配したほど不自由していない様子。動物の適応力には感心させられる。これであとは日曜日に抜糸に行けば・・・と思いきや。

元気が出てきてもりもりごはんを食べていたけれど、傷があるのでお腹マッサージが思うようにできず、やっぱり便秘が出てしまい、金曜日にまたまた病院へ。3日に上げず病院通いとは、とほほである。

そしてやってきた日曜日。ヘルパーが来る少し前に家を出て病院に向かう。
このところ割合空いていたのに、この日は激混み。駐車場に車が入れない。
前に停めて受付で名前を書いて、「外に居ます」と言おうと思うのだが、カウンターの人はほかの飼い主さんに薬の説明を延々していて手があかないので、車に戻って車から電話する。
暫くしてスペースが空いたので車を入れて中で待つ。
例によって小型犬を二人がかり、三人がかりで連れてきた人たちで待合室はいっぱいだ。隅っこのキャリーの中で猫が一匹具合悪そうな声で鳴いている。ああ、かわいそうに。そしてさのすけも、未だかつてない1時間あまりの待ち時間に、途中二回「うおーーん」と怒りの声を上げる。ごめんね。。。

やっとA先生が空いて見てもらったら
「ああ、もうこないだほとんど抜けちゃってますね~。この残ってるのは内側のとくっついてるので、そのうち自然に取れると思います。」
はあ?じゃあ、きょう来なくてもよかったの?1時間以上待っていたのは何?

カラーを返して帰路に着く。ああ、もう当分来ないで済むといいんだけど。

帰宅して、邪魔なので片付けておいたテントベッドを出してやると、さっそく中でお寛ぎ。
お疲れ様だったね。

  

2017年2月22日水曜日

猫の入院・手術 2


8日、昼前になっても連絡がないのでこちらから電話する。A先生、カテーテルで石を押し戻すことはできたので、いまはカテーテルを入れた状態で尿を流しているという。ああ、じゃあ今日は麻酔処置はなしなのね。。。仕事キャンセルしなくてもよかったか。。。
根本的にはやはり手術で石を取るしかないだろうという話になったのだけれど、じゃあいつやって頂けるのですかと聞くと、「今日は無理だし明日もー、金曜日はちょっと大きい手術が入っていて、土日も今度は連休なので混むと思うんですよね」と宣う。「いまの状態で来週まで大丈夫なんですか?ご飯も食べてないそうだし、それまで家に帰った方がいいんじゃないかと思いますけど、カテーテル入ってたら難しいですよね?」と言うと、「腫瘍などでカテーテル入れてご自宅で生活する子もいますけど・・・ちょっと院長と相談してみます。」
その後、「明日ほかの手術の合間を縫って割り込ませます」との連絡が入り、長々待たされる心配はなくなったものの、いよいよ本当に全身麻酔をかけての手術になるので、一応腎機能の数値は悪くなっていないから大丈夫だろうけれど、時間も確定しないしやはり心配なので翌日の仕事も休ませてもらうよう連絡する。連日のドタキャン、ごめんなさい。

病室のさのすけを覗いてみると、ごはんは食べないもののケージには少し慣れたようす。
 
 
 

手術当日、13:30頃からになりそうというので13時過ぎを目標に家を出る。
病院まであと数分のところで「そろそろ始めます」と電話が入る。「今から行くのでちょっと待ってください」とお願いし、麻酔を待ってもらい面会。「大丈夫だからね。終わったら楽になるからね」と声をかけて送り出す。いったん家に帰って夫の身の回りの世話をしてから再度病院へ。予定通り1時間半ほどで手術は終わり、無事に石は摘出、さのすけもまだぼんやりとしていたけれど麻酔から目覚めてきた。ケージの奥に頭を向けてへたっていたのに、「さのちゃん」と呼んだらふらふらしながら急いでがさごそとこちらに向き直るところが健気で可愛い。
  
 
ひとしきり声をかけて撫でてやったら満足したのか、さっさと奥に入って落ち着いたので、またあしたね、と言って帰る。やれやれ無事に済んでよかった。
 
夕方A先生から電話が入る。普通なら4日くらいは入院して傷の具合等を見ておくのだけれど、さのすけはごはんもほとんど食べていないので家に帰ったほうがいいと思うから、あす1日様子をみて問題がなければあさってお帰しします、とのこと。土曜日はヘルプがないから普段外出はしないのだけれど、夫もいまのところは落ち着いているから迎えに来ることはできるだろう。早く病院のストレスから解放してやりたいもの。
 
翌日面会に行くと、もうカラーを外している。
  
傷口をあまり気にしていないようなので、ストレスになることでもあるので外している、とのこと。
ふうん、切ったところを舐めたりしないんだ。偉いぞ、さのすけ。
でも痛みがあるのかちょっと情けない表情。「明日はおうちに帰れるからね、もう少し我慢してね」
 
 
11日土曜日、5日ぶりに帰宅。おなかに力が入らないのかよたよたと歩いている。
うちには猫ベッドやら、ガリガリ・ラウンジやら、ダンボールにタオルやセーターを敷いたものや、猫が入ってくつろぐ場所がいくつもあるのだが、2日かけて一つずつその寝心地を確認していた。
 
手術して障害が取り除かれたら、すぐに尿がよく出るようになるのかと思っていたのだが、まだまだトイレには頻回に通い、少しずつ出している。石はなくなったけれど切ったことによる血片が詰まる可能性はあるので注意しておくようにと言われたのだが、この状態が大丈夫なのか確信が持てない。血尿にはなっていないのでたぶん大丈夫なのだろうけれど、まだ安心はできない。
(つづく)
 


2017年2月20日月曜日

猫の入院・手術 1

さのすけに膀胱結石があることがわかったのは、去年の夏、なんだか元気も食欲もなくなって超音波検査をした時だった。

  (思えばあの日はさのすけを病院に連れていくために、
  楽しみにしていた喬太郎の会を泣く泣く諦めたのだった。
  平日午後地元なんて機会は、もうそうそうないだろうなあ。(´;ω;`)シクシク…
  こないだテレビで見た「ハンバーグ」は良かった。いつか生で聴きたい。。。)

そのときの不調の原因はNa値の低下で、それはステロイド剤の投与であっさり改善したものの、結石については自然に出てくるような大きさではなく、かといって手術で取るとなると全身麻酔になり、12歳という年齢を考えると麻酔から覚めずにそのまま逝ってしまう可能性もあり、止血剤や抗生剤で様子をみましょう、ということになった。

一方、さのすけは他にも巨大結腸による慢性的な便秘があり、月に1回から数回病院で摘便してもらっている。何とかその頻度を減らそうとマッサージをしたり、薬を飲ませるタイミングを計ったりする毎日で、多少の血尿はしかたのないことと結石の方はあまり気に留めずにいたら、2月4日、トイレに行っても尿が数滴しか出ない状態になってしまった。

翌日病院に連れていくと、果たして結石のかけらが尿管を詰まらせていた。
カテーテルを入れて押し戻し尿も出したけれど、また詰まってしまう可能性が高いので、しばらくは通ってもらわないといけないと思う、と主治医のA先生。
先生が翌日休みなのは小耳にはさんでいたので、いま処置したことだし、当面は大丈夫かな、と思ったけれど、家に帰ってさのすけトイレに行くも、やはりちょびちょびしか出ない。
まずい。。。

6日月曜日、本来なら午後看護師が来るまで外出はしないのだけど、できるだけ早く診せたほうが良いと思い、なんとか午前の診療時間終了間際に駆け込む。
代わりに診てくれた先生がカテーテルの挿入を試みるも難しく、お腹に針を刺して尿を抜く処置をし、家では対応できないので入院させてA先生が出てきてからどうするか相談することに。

さのすけは入院するのが初めてなので、帰る前にちゃんと話しておこうと入院室に行くと、ケージの奥で固まっている。「さのちゃん」と手を伸ばすと、振り返って「シャーーー!」生まれた時から12年一緒だけど、「シャー」を聞いたのは初めてだ!さのすけは目が不自由なので、訳がわからなくて怒っていたのだろう。「おうちに帰ってもちゃんとみてあげられないから、ここにお泊りしてね。としちゃんも入ったことがあるし、さのちゃんはエライから大丈夫だよ。御飯をもらったら食べるんだよ。」などなど言い聞かせるうちに、少し身体の緊張が解けてきたので、「また明日来るね」と言って帰る。

翌7日、病院に電話してみると、なんとA先生実は今日までお休みでした、って。。。
午後病院に行ってみると、やはり緊張しているせいかごはんは食べていない由。これだけストレスがかかっている状態が続くと、体調もますます悪くなるなあ、かわいそうに。ケージから出して、話しかけながらたくさん撫でてやる。明日A先生がカテーテルをやってみてダメだったら麻酔をかけて切開することになるかも、という話。麻酔の危険はあるけれどほかに方法がないのなら仕方がない。万一に備えて翌日の仕事をほかの人に代わってもらうようお願いする。
(つづく)

2017年2月2日木曜日

トリさん

夫が病気になる前は、週一度はタンゴレッスンに通い、週末は夫とミロンガに出かけていた。
夫が踊れなくなっても、レッスンには通い、月1くらいはミロンガに行けるだろうと思っていたが、
徐々にスケジュール調整が難しくてレッスンにも行けなくなり、
夜と週末は人の手配をしなければ出かけられないのでミロンガからも遠ざかり、
去年はなんと、レッスン1回、ミロンガ2回、という有様だった。

踊ることそのものが大好きならば、なんとしてでもやりくりして踊る場に行くのだろうけれど
私にとってミロンガは夫と行く場所だったので、二人で行っていたところに一人で行くのはあまり気が進まず、積極的に行く努力をしないでいたらこういうことに。

女性の場合、身体のコンディションさえ整えておけばいつでも踊れるはずなのだけれど、
そちらのほうもかなりサボっていたため、1月の祝日に午後のミロンガがあったので出かけたところ、なんだか自分の動きに確信が持てなくて、やっぱりレッスンはしないとダメだなあ、と痛感したのだった。

そんなとき、師匠のケンジさんが
誕生日にもらった電動彫刻刀で今年の干支の酉を彫ったとブログに書いていた。

トリさん、かわいい。。。

いつもは干支を聞かれると
「私は猫年です」
と相手をケムに巻く私だけれど、ここはキッパリ

「私、酉年です、よろしくお願いします」

とおねだり。
めでたく頂戴できることになり、受け取りがてら久しぶりにレッスンに顔を出すことにした。

21時にヘルパーが帰ってしまうから、それよりあまり遅くならないうちに帰宅するため
レッスンは早退したけれど、半年以上ぶりに師匠と踊り、身体もストレッチしてもらい、
顔なじみの方たちの元気な様子を見て、きょうが4回目という21歳の若者にも出会い、
楽しく、充実した時間だった。

うちから吉祥寺まで車だと1時間弱と事前の検索で出ていたけれど、環八の渋滞にも関わらずほぼ1時間で到着。帰りはすいすいと40分弱で帰ってきてしまった。これじゃあ、渋谷からより早いくらいじゃあないか!次回行く時は、もう少しレッスンしてても大丈夫かな。

あ、頂いたトリさんはこちら。