2013年5月12日日曜日

我が家の猫物語(7)カッちゃん

夏の別荘に入居した子猫たち。

    


その年の大河ドラマ「新撰組!」からとって、
白地にカプチーノのように茶が入っている子をカッちゃん(近藤勇)、
白にグレーの模様の子をとし(土方歳三)、と名づけ、
三匹目は総司(沖田)と名づけようとしたが、
あられもない格好ででや~っと寝ているのを目撃してしまったため、
さのすけ(原田)と決定。

よく見ると、目やにで顔がぐしゅぐしゅだ。
見かねて、ホウ酸水で拭いてやることにした。
始めは、「シャーッ」と言っていたみいみちゃんも、そのうち安心したのか、
わたしがホウ酸水の容器と脱脂綿を手にやってくると
「お願いします」という感じで小屋から出て、脇に座って待っているようになった。

蚊に食われながら朝晩拭いてやっているうちに、少しずつ目やにもとれてきたのだが、
ある晩、仕事から帰って、いつものように「お風呂タ~イム」と言って子猫たちを取り出すと、
カッちゃんがいやに軽い。ニャーニャーと声は元気だし、逃げようともがく力もあるのだが、
「紙のように軽い」という表現がすっと浮かぶほど、命の重さを感じないのだ。
「みいみちゃん、ちゃんとおっぱいやってる?」などと声を掛けても、答えるわけでもない。
その夜は、しばらくニャーニャーという声が外から聞こえていた。

翌朝、家のことをしてから、さてまた顔を拭きにいくか、と裏に回ってみると、
みいみちゃんはいない。小屋を覗くと、カッちゃんが横たわっていて、それをとしとさのすけが困ったように見下ろしている。
カッちゃん、もう息はなかった。前足の付け根の辺りに小さな傷があったので、
カラスにでも襲われたのかもしれないし、
それはみいみちゃんがくわえて戻るときについた傷かもしれない。
なにがあったのかわからないが、とにかくカッちゃんは死んでいたのだ。

家の中をあちこち探して適当な箱を見つけ、タオルを敷いてカッちゃんを入れ、
夜夫が帰ってきてから、我が家の敷地の少ない土の部分に穴を掘ってもらって埋めた。
8月25日、生後6週間余りのことだった。

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