2015年6月27日土曜日

敗血症とか感染性ショックとか

6月13日、父の通夜から戻ると、留守を頼んでいたナースが
夫が熱があるようなので、抗生剤を始めておいたほうが良いと思う、
ドクターには報告しておくので、と言う。

夫は尿道カテーテルを使用しているため、時たま感染で発熱することがあり、
抗生剤は常備しているので、さっそくそれを夕食後の薬に加えた。
その後熱が38.9度まで上がったので解熱剤も投入して寝む。

翌14日、大汗かいて熱は下がり、尿量が少なかったりしたのも夕方までに改善し、
もう大丈夫だろうと思いつつ、その間4回着替えたものをせっせと洗濯。
夜はシーツも替えて、今夜は気持ちよく寝られるといいね、と話していた。

ところが私が寝ようとした午前3時、夫は寒気がすると言い出し、
布団を掛けたりしたものの、心配なのでソファで横になった。
朝までたびたび、水分補給やら、酸素を測ったりやらしていて、寝られたのは1.5時間ほど。

15日朝になっても熱が下がらず、酸素飽和度も下がっていたので、
呼吸器に酸素を流してみたが、思ったように上がってこないので、Dr.に往診を依頼。
尿に白血球が出ていたり、脇腹が張って痛みがあるので、
腎盂腎炎を起こしている可能性もあるとのことで、
通常3回に分けて服用する抗生剤を一括投与し、尿の培養検査をすることに。

その後、熱は下がったものの、腕から手の甲に汗をかいていること、
尿がミルクティーのように濁っていることという、今まで見たことのない所見があったので、
夫は大丈夫と言っていたけれど、寝不足でもあるし、仕事は休むことにした。

午後、訪問看護師が来たので2階で横になったら2時間寝てしまったていた。
降りてみると、感染性ショックが心配なので、先生を呼んでいます、と言う。
酸素飽和度と血圧がかなり下がっていたらしい。
改めて往診の結果は、敗血症の疑い。点滴の抗生剤を投与して、これが効けば、という。

効かなかったら、危ないのか?

本人は大丈夫だよ~、と言っているし、私も楽観的ではあったのだけれど、
一応妹だけには連絡してみたら、様子を見に来てくれた。

夜、経過を診にDr.が来る。やはり血圧が低く、ショック状態で、救急で運ぶ状態だと言う。
うちでは何があっても病院には行かない、と決めているし、
そのことは在宅療養に関わるスタッフ全員で共有しているはずなのに、
なぜまた、病院を持ち出すんだろう、とちょっとイラっと来る。

クリニックで手持ちの薬剤に限りがあるとか、いろいろ都合もあるんだろうけれど、
今が治療を急ぐ時なら、わかりきったことをまた聞かないでほしい、と思う。

血圧をモニターしながら、昇圧剤を少しずつ注射、さらにステロイド剤点滴でなんとか持ち直し、
昇圧剤の継続点滴をセットして、Dr.が引き上げたのが深夜0:30だった。
夫の様子を気にしながら、またソファで仮眠。

16日朝8時にDr.来訪。
抗生剤の点滴をし、血圧が上がっていて、尿も出ているので、快方に向かっているとのこと。
11時に同じクリニックの若先生が来るということなので、10時まで自分のベッドで休む。
若先生が来た時は、血圧も100以上になっていたので、ストップしていた内服薬や栄養を再開し、昇圧剤の点滴も普通のリンゲル液に替えて・・・としたところで、血圧急降下!
点滴に入っていた昇圧剤は、ダイレクトに作用するタイプのものだったので、
回復していたのは、それに頼ってのことだったのが判明。

これは身体の脱水がまだ続いている状態なので、急速輸液が必要。
点滴を全開にするも、これでは遅すぎる!と、
点滴液をシリンジにとってシリンジから押し込む策に出る、若先生の好判断で70台まで回復。

この日は訪問入浴だったけれど、お風呂は無理なので清拭をしてもらい、
その間血圧はなんとか70台をキープして終わり、
夜8時にDr.が来てくれたときは、80台後半まで戻っていた。
一応落ち着いて来たので、夜は2階で寝ることにしたのだけど、
朝8時には点滴を付け替えなければならず、起きられるのか不安。。

17日、点滴は続けているものの、全体的には落ち着いてきたようなので、
午後訪問看護が入ったところで、今度はさのすけを動物病院に連れて行く。
便秘である。このところのストレスが、さのすけにも伝染したのか?
うちの近所には2軒動物病院があるのだか、どちらも私が行ける午後の早い時間は休みのため、車で20分ほどの別の病院に行く。寝不足で運転は辛いが、しかたがない。
一旦帰って、夕方マッサージの人が来たところで、買い物と食事に出る。
うちには手首式の血圧計しかなかったので、上腕式の血圧計を買ってきて、ちょっと安心。

18日、だいたい復調、のはずが、今度は痰が取れなくて酸素飽和度が77とか出るし、
血圧が150台に跳ね上がるしで、カフアシストしたり、スクィージング、タッピングと、
点滴が繋がってる中でやるもんだから、もう大変。
もともと、血圧は高めで薬を飲んでいたのだけれど、
今回のことで中断していたところ、体調の回復とともにまた上昇傾向になったのでは、
ということで、血圧の薬を再開。
できるだけのことはして、どうしても取れないところはDr.とナースに任せて、
この日は仕事に行った。

帰ってきたら、すっきりしていたみたいで、それはよかったのだけど、
ナース達が使ったものが出しっぱなし、開けっ放しがいくつもあって、がっかり。
さらに、今頃になって点滴についての注意書きがテーブルの上に置いてある。
こういうものは3日目じゃなくて初日にいただければもっと有益だったでしょうね。
寝不足とイライラも極限である。

19日、感染症を起こしていた菌が特定され、抗生剤が変更に。
これまでのとは薬剤の合わせ方も変わって、ちょっと神経を使う。
この頃になると、輸液によるむくみが問題になってきたので、今度は利尿剤を使うことに。
体力の回復の為に栄養価を上げるため、通常の経管栄養に牛乳や卵などの追加を考える。


そんなこんなで、きょう27日現在、抗生剤の点滴は続け(あすまで)、
栄養強化は継続、投薬は最低限必要なものだけ再開、という対処で、
血圧は薬を使わず平常値、酸素飽和度、脈はまあまあ、というところ。

今回のエピソードが始まってからずっと声が出にくくなっていたのだけれど、
たぶん、それは脱水のせいだったようで、24日くらいからまた出るようになってきて、
おおよそ、以前の生活が戻ってきている。
ALSという病気はそれ自体「よくなる」ということがない病気だけれど、
それに伴って起きてくるトラブルは多々あり、その都度解決法を探しながらやってきたけれど、
今回はかなりシビアだった中で「よくなる」というシーンを見られて良かったと思う。

まあ、なにごともなく、淡々と、というのが本当は望ましいのだけれど。





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