2018年9月2日日曜日

次の季節へ

この5日間は車を出さなかった。
外出しなかったわけではなく、先週後半仕事を入れていなかったのと、外出先と目的が車でない方が都合がよかっただけなのだけど、この夏は暑かったこともあって、近所の買い物でも車で出ていたから、こんなに車に乗らなかったのも珍しい。
車にばかり乗っていると、バス、電車で出掛けるなんてあーめんどくさい、と思うけれど、連日公共交通機関で出かけてしまうと、それなりに慣れてしまうから不思議。

先週は、月曜日に相続税の申告書を税務署に出した。申告書は自分で作成した、というと何人かの人に驚かれた。私は30年も自分の青色申告をやっているから、税務署の書式の読み方書き方の要領というのはなんとなくわかっているし、最初に税務署で話を聞いて、そのあと出てきた疑問は税理士会の無料相談と税務署の電話相談で解決し、できそうだったので2回の週末を潰すくらいでやっつけた。間違っていれば、また直せばいいだけの話だろうし、とりあえず終わってよかった。

水曜日は脳神経外科に行った。母のくも膜下出血を含めその親兄姉、みんな脳血管系の疾患をやっているので、一度検査しなければとずっと思っていたけれどできずにいたのだ。最初は脳ドックとやらに行こうかと思ったのだけど、そうだ、私には耳鳴りと頭痛という症状があるのだから、普通に受診できるし、そのほうが数万円の費用をかけることもない、と気づき、区内のわりと評判のいいクリニックに行ってみたら、頚動脈エコー、頭部MRI、頭部X線、とやってくれた。噂に違わず「グワーングワーン、ゴンゴンゴンゴン」とやかましいMRIだったのに、うっかり寝落ちしてしまい、「何かあったら握ってくださいね」と渡されていたボール状のコールボタンをギュッとしそうになり、ちょっと慌てた。検査の結果は、格段の問題なく、食事と運動はきをつけましょうね、という程度で安心した。

木曜日は、不動産登記の依頼の打ち合わせで司法書士の事務所に行ったついでに、近くの銀行窓口で金利がちょっと優遇される「相続定期預金」を作り、その足で映画「オーケストラ・クラス」を見に恵比寿ガーデンプレイスへ。本当はそのあとミロンガに寄るつもりで靴を持って出かけたのだけど、映画を見たらすぐ帰ってヴァイオリンの練習をしたくなり、直帰。復帰した職場オケの演奏会が1月に予定されており、9月半ばから練習が始まるのだけど、全然弾ける気がしない。。。どうなることやら。

これで税務署からなにも言ってこなくて、登記がすめば、事務的なことがらは終わったことになる。この夏はあまりに暑すぎて、家にいる時間があっても片付けなんかする気にならず、まだやることがほかにあるのを言い訳にしてきたけど、それも終わったことだし少し方向転換をするときかもしれない。

10日ほど前、夢を見た。
夫とミロンガにでも行った帰りか、東海道線の下り電車に乗っている。
それぞれスマホを見ていて、ふと気づくと駅に停車してドアが閉まるところ。
そこは実家の最寄駅で、いつの間にか外は暗く、夫の姿はない。
電車が発車し、「降り損ないました」と夫にメールしようとして、
ああ、そうだ、メールしても家にあるスマホに届いたのを自分が見るだけじゃん、
と思い、そうなんだ、私はひとりでこの電車に乗っていくんだった、
どこまで行くかわからないけど、ひとりで行くんだった、と思ったところで
目が覚めた。
ようやく、夫は手の届かない遠いところに行ってしまったんだ、
と納得したような、諦めがついたような、そんな気分だった。

夫のために自分がやったこと、やりそこなったこと、に対する後悔は
1グラムも1ミリも減ることはないし、それらを思うとやっぱり泣いてしまうから、
「忘れない、思い出さない」でやっていくしかないのだけど、
「思い出さない」ことに後ろめたさを感じることはない、と思い切れそうな気がした。

そんな夢と、現実のひとつの区切りが重なったのは、偶然ではないだろう。
暑かった夏も、虫の声響く秋へと移っている。私も次の季節へ。

(写真は、たまたま寄ったデパートで夫が好きだったミッフィーの特設売り場ができていたのでつい撮ったもの。)


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