2013年5月28日火曜日

我が家の猫物語(9)うちの子に

2週間ほど経ってからだろうか、としとさのすけの目やにはだいぶきれいになった。
しかし、としは右目はきれいだが左目には薄い膜がかかった状態、
さのすけは右目は瞬膜に覆われ左目はわずかに瞳が覗いている状態だ。
 

 

見えなくても、猫の場合ほかの感覚が鋭いので生活に支障はないし、
獣医さんのところに来る猫ちゃんの中にも全盲なのに他の猫といっしょにおもちゃで遊ぶ子もいる、 と言う話だった。

とはいえ、この状態で他のオス猫も闊歩している屋外で野良としてやっていけるのか。
いじめられたり怪我をする姿を見るのは忍びない。


やはりうちで保護することにしよう
と決断した。


本当はスリムな黒白猫を一匹飼う、というのが私の夢だったのだが、
代わりに神様は弱さを持ったこの二匹を私たちに託されたのだ。

この二匹と一緒に暮らしていこう。


「うちの子」にしたものの、当初は外にも出していたし、母猫のみいみちゃんや、
前から来ていたデールもいっしょに家の中で遊んでいた。

 
  












デールは兄貴風を吹かせて、ずいぶんよくとしとさのすけの相手をしてくれた。



 

だが、本格的に猫を飼うことにしてから色々情報を集めてみると、
出入り自由は問題が多いことがわかってきた。
実家で22歳まで生きた猫は、ずっと出入り自由でいたが、
家の近くを車がしょっちゅう通るわけではないし、他の猫も少なかったが、
我が家の周辺では環境がそこまで整わない。

家の前の道は私道ながら車はそこそこ通るし、野良猫も多い。
目が不自由なことも心配なので、二匹を完全室内飼いにすることにし、
長いこと在宅中は勝手口を開放していろんな猫が訪れてくれていたけれど、

そこも閉じることになった。

デールは、既にオスとして旅立ちの時を迎えていたこともあり、
しばらくはごはんはもらいに来ていたが、中に入れなくなってじきに姿を消した。
やむを得ないこととはいえ、ちょっと心が痛んだ。
 

 

(つづく)

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