2013年5月17日金曜日

iPad miniで電子書籍を読む

iPad miniを買った目的の一つは、出先で気楽に本を読むことだ。
複数の本を持ち歩けるなんて素敵!ってことで。

しかし、実際どのくらい読みやすい(にくい?)のかはやってみないとわからないので、
なにか購入しようとストアを物色。
最初は無料の何かで試そうと思っていたのだが、目に留まったのが最近話題の
近藤誠著「医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法」
である。これにしよう、と購入。

開いてみるとなかなか快適である。
縦画面では1ページ、横画面では2ページ見開き表示になり、ページもすいっとめくれる。
しおりを挟めば、次はそこから再開できるし、「この章はあと何ページ」なんて表示もある。
きょうはファミレスで食事をしながら、傍らに横画面を傾けて置いて読んでみたが、
紙の本だと開いて置いておくのが難しかったり、
サンドイッチを食べた手でページをめくるのはどうも、と言う感じなのだが、
これだと開いた状態で置かれていて、指一本でページがめくれるのでとても楽だった。

「医者に殺されない47の心得」については菊池寛賞も受賞しているので、
あちこちで書かれているからそれらを参照して欲しいのだが、
今日読んでいたところで、思わず涙しそうになった個所があった。
「家で安らかに逝く」ことについての記述の中で、点滴を四六時中しているとむくみが肺に及んでプールでおぼれた時のように苦しむことになるから、
 点滴をしないで、枯れ木のようになって死んでいくのが
 いちばんラクなんです
とある。

なぜこのくだりを読んで涙しそうになったか。
夫の母は、7年前食道がんが見つかったものの、ひと月以上私たちには黙っていて、
やっと話した時も「治療はしないから」と言って自宅で一人暮らしを続けていた。
その後、ピンポイントの放射線治療をすれば、少しはまた食べられるようになると知り、
年末から正月にかけて入院して治療を受けた。
確かに、量は減っても普通の食事を摂れるようになったが、
やはり徐々に食べられなくなり、それでも栄養点滴も水分点滴も拒否し、
最期は本当に枯れ木のように静かに亡くなった。

義母はわずかの流動食と水分を口にするだけで、とても苦しかったのではないか、
やはり水分点滴だけでももっと強く勧めておけばよかったのではないか、
と何度も思ったけれど、そんなことを今更言っても仕方のないこと、
と、気持ちにけりをつけていたつもりだった。

しかしきょう、上の文を目にしたとき、すっと胸のつかえがとれたような気がして、
涙が溢れそうになり、振り払ったはずの答えのない問いがずっと自分の中にあったと気づいた。

お義母さんは苦しんではいなかった、そういう終い方をきちんと選んで逝ったのだ。
そう納得できただけでも、この本を買った甲斐があったというものだ。

いや、この本、役に立つ情報が沢山あるしとても読みやすいのでお薦めする。

Just bought my first electronic book for iPad.
It works perfectly when I want to read and eat at the same time.
I don't have to keep the book open and can turn pages with only one finger.

The book I bought is about negative aspect of medical care in Japan.
In one section about the choice of dying at home, the author says you have to watch out the amount of IV because you can flood your lungs and suffer a lot.  He says the best way is to die drying up yourself like a tree.  That's exactly how my mother-in-law died, but, at the time, I though she must have suffered a lot from not getting any dripping.  I'm so relieved to know that she made the right choice at the end of her life.

0 件のコメント: