2013年12月22日日曜日

感謝と希望のマイホーム・ライブ

というイベントを、昨日(あ、もう一昨日?)12月20日に拙宅で行った。

夫の友人である、ベーシストの齋藤徹さんとヴァイオリニストの谷本仰さんが、
病床にある夫に、なにか音楽のコラボをしようともちかけ、
夫の「生の音が聞きたい」という希望に応えて我が家でライブをすることになったのだ。

企画を進めるうちに、夫の中では「礼拝をしたい」という思いが強くなり、
「賛美礼拝形式による家庭集会」に、タンゴや南米の賛美歌を盛り込むことにした。
谷本さんは牧師でもあり、うたうたいでもあるので、ヴァイオリン、歌、説教と大活躍だ。
ライブには、以前にも登場した餃子の会の人たちを中心に、
私たちのことを日ごろ見守り、支えてくれるタンゴの友人たちを招くことにし、
歌モノが入るということで、徹さんがしばしば共演している歌い手のさとうじゅんこさんにも参加してもらい、私が礼拝の司式と歌の一部を担当することになった。

北九州に拠点を置く谷本さんが仕事で上京するとき、ということで決まったの日取りが
12月20日(金)。
連休前の金曜日、忘年会、Xmasパーティーのピークと思われる日だから、
声をかけても予定のある人が多いよね、と思いながら連絡をしてみると、
全員、「空けておきます」「喜んで伺います」の返事。

普段、ふたりと猫2匹で暮らすこの家に、私たちと奏者も含めて
19人!
(みんな、他に行くとこないのか・・・いやいや無理してくれてるのはわかってるけど)
みんなが入るスペースを作るには、今リビングにあるものを移動する場所をまず作るために他の部屋を片付ける必要があるのだが、平日は看護師やらヘルパーやらやってくるので、週末ごとに少しずつ準備して、なんとか入るだろうというめどはつけた。

実は、10月後半夫は風邪気味で、呼吸の状態が悪くなっていて、
果たして12月20日を迎えることができるのか、わからない感じだった。
夫は「僕に何があっても、ライブはちゃんとやってね」と言ったくらいだ。
私も毎日、「あと50日、生かしてください」「49日・・・」「48日・・・」と祈っていた。
風邪が治った後も、おなかの調子が悪かったりして、不安材料はつきなかった。
なんとか大丈夫と思えたのは、10日前くらいだろうか。

直前の準備や、当日のこまごましたことはみんなに手伝ってもらって、当日を迎えることができた。

徹さん、谷本さん、じゅんこさんは、とてもよく準備してすばらしい演奏とお話を提供してくれた。プロの備え方というのはこういうものかと、隣に立って改めて圧倒される思いだった。
私は、進行やらキッチンの様子やら、夫の世話やら、いろいろなことに気が散っていて、なんだか肝心の内容に集中できずにいたり、歌もお三方の足を引っ張るだけだった感じで、反省ばかりなのだけれど、来てくれたみんなは、「ライブに来てね」といいながら礼拝に参加させてしまうというだまし討ちにも関わらず楽しんでくれて、私たちが伝えたかったこと、感謝と希望をちゃんと受け止めてくれたみたいで、ほっとした。

この19人が、タンゴという共通項で集まり、このような時間を共有できたこと自体が、
タンゴが、ただ音楽やダンスのジャンルではない、ということの証だとつくづく思った夜だった。




2 件のコメント:

コグマ さんのコメント...

それはそれは、素晴らしい時間になりましたね!
ご主人の喜ばれる顔も目に浮かぶようです!

まじょり さんのコメント...

コグマさん

ありがとうございます。
とても特別な時間を、大切な人たちと過ごすことができました。
個人的には反省点多々、ですが。夫も、もう少し生き永らえる力をもらいました。
タンゴってすごい。