2019年2月10日日曜日

1年経って

当然のことながら、キリスト教では法事は、ない。
そもそも西洋では命日より誕生日で亡くなった人のことを覚える習慣だ。
それでも、クリスチャンであっても日本的風習から逃れられない人は、家族の命日に「記念会」なるものを持つことも多い。短い礼拝をして会食する、というのが定番か。

うちでは義父母のために記念会はしなかったので、夫も別にそういうことは望んでいないと思ったし、親戚もみんな遠いしクリスチャンではないし、なにもしないつもりでいたものの、この日に横浜でとしゆき&菜穂子さん主催の定例ミロンガがあることに気づいた。ここでは、夫の病気がわかったときに徹さんとTLFがミロンガをしたいと言ってくれたのをとしゆきさんが引き受けてミロンガをしてくれたのだった。あんなミロンガがまたできないか、という妄想をとしゆきさんに持ちかけたら、是非実現しましょう、と言ってくださったのが11月。それから声をかけた方々がみなさん二つ返事で引き受けてくださり、思いがけず豪華版のミロンガが開けることになった。

ミロンガのまとめはケンジさんがうまく書いてくださったのでそちらを。

そこに書いてない裏話をいくつか。

夫の部屋にオルケスタYOKOHAMAのライブ録音CDがあったのを、ミロンガ来場者にプレゼントすることを思いついたのだけど、あるのは35枚。人を選んで、というわけにもいかないので受付でくじ引きをしてもらうことにした。くじ引き係りはTLFなおこさんのお子さん二人。何人来るかわからない中ではずれくじを幾つ入れるか悩んだ挙句、確率2分の1に設定。全員への参加賞としてチョコレートの小箱80個用意。最終的には入場者は86名だったそうだから、全員にはチョコは渡らなかった模様。ごめんなさい。でも、確率2分の1とは知らないみなさん、当たりですごく喜んでくださってこちらも嬉しかった。

夫のもう一組のダンスの師匠、Eugene y Alisaにも実は出演依頼をかけていた。生憎他のイベントの先約がありNGとのことで、アシスタント時代をよく知っているMarcy & Magiに代役をお願いしようかとも思ったのだけど、いや、彼らには他の仕事があればそっちを優先して欲しいから声をかけないでおこう、だいいち、TLFだけだって雪を降らせそうなのに、Marcyさんを呼んだら荒天確定してしまう、と思って声はかけずにおいたのだ。でも、親の心子知らず(?)スケジュールをあけてやってきてくれた。去年、Marcy&MagiのところでTLFがライブミロンガをしたとき、誰も踊りださなくてMarcyさんと私がデモ状態になってしまったことがあった。今回は守さんの歌がはじまったところでMarcyさんが目配せしてきたので、意図的にデモ状態を再現。あー、面白かった~。

なので、彼らも招待して太田なわのれんで打ち上げ。
 




予想以上に大勢の方が来てくれたミロンガ。
半分以上の人はおそらく夫のことは知らなかったと思う。
いつも来ているところだから、ファンダンゴスが来るから、ケンリリさんが踊るから、いろんな理由で来てくれた人たちが、みんなとてもいい顔をして踊っていた。
早い時間から来ていた常連さんとおぼしき人たちからしてすごくいい表情で踊っていたから、これまでここでとしゆきさんたちが積み上げてきたものが本当に大切にされているのだと思った。そこに後から来た人たちも溶け込んでいく。
それから、特別な企画であることを通して、タンゴを介してこれだけの人たちが直接間接につながり合って奇跡のようにいま、ここに一緒にいる、と感じることで、今目の前にいるこの人との時間を大事にしよう、とみんなが感じていた気がする。
TLF+徹さんの音楽の力が、ノーギャラなのに本気でいい音作りを手伝ってくれたえじーさんによってさらに増幅され、場を作っていったのだと思う。

私はもともと、自分が楽しみたいという欲求よりは、他の人の役に立ちたいという思いのほうが大事で、ひとりになってからは余計に自分ひとり楽しいからってそれが何?と感じることが多く、そんな思いをもてあます日が続いていた。このミロンガで、みんなが楽しんでいるのを見て、口々によいミロンガだった、楽しかったと言って帰っていくのを聞いて、本当に嬉しく、ああ、私はやっぱりそういう人間なんだなあ、と改めて思ったのだった。


以下はあれこれ頂き物。



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