2013年11月4日月曜日

冥土の土産

前回投稿以後、夫が上気道炎(風邪?)を起こして
微熱があったり、痰がひどくて呼吸が苦しくなったりしたため、
日々のさまざまな手順を調整することになり、
ちょっとばたばたしていた。

今はようやく落ち着いてきたのだけれど、
一時は、口から食事をするのも疲れるからと控えていたりして、
ああ、もっと美味しいものをちゃんと食べさせておけばよかった、
このまま食べられなくなってしまうとかわいそうだなあ、と思ったのだが、
なんとかまた食べられるようになったので、ちょっと安心した。

夫の場合、身体の他の部分の病気の進行に比べて、
嚥下障害や言語障害はまだ進んでいないので、
話もできるし、鼻マスクで呼吸器を使いながら、食べたり飲んだりもできている。
とはいえ、徐々にその部分も弱ってくることが考えられ、
実際、ちょっと誤嚥が疑われるところもあるので、
誤嚥性肺炎に至らないように注意しなければいけない。

ALSの場合、栄養状態を維持することはとても大切で、
夫の場合は、去年6月(診断を受けて2ヵ月半後)の段階で
呼吸機能が落ちてしまう前に、という主治医の勧めで胃ろう建造手術を受けた。
(この手術は、呼吸機能が下がってしまうと受けられない)
体調や暮らしのスケジュールの必要に応じて
食事と胃ろうからの栄養注入を組み合わせて、きょうまで来ている。

だから、食べられなくなった場合の備えはあるわけだけれど、
やっぱり人間、口から食べる楽しみというのは大きいから、
食べられるうちは、できるだけ食べさせてあげたいと思う。

去年、まだ仕事に行っていたころは、病気の進行も早かったから、
もう、先は長くない気がして、食べる機会のあるときは
「冥土の土産」と称して、普段は手を出さないものを買ってきたりしたけれど、
この春くらいから、比較的落ち着いた日々になって、
食事もまた、普段着になり、けっこう手抜きもしていたから、
ここでちょっと、またねじを巻き直すかな。

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