これだけ好天に恵まれたのは久しぶりのことのように思う。
もともと人ごみが好きではないので、祝日の外出はむしろ避けたい方なのだが、この時期はさすがに気候がいいので、連休が近づいてくるとなにかそれらしいことがしてみたいとも思うのだ。
祝日でもナースやヘルパーは普段通り来てくれるので、仕事が入っていない日は15時頃から21時頃まで外出できる。とはいっても、都内に出るなら、実際使える時間は16~20時くらいだかかなり中途半端な時間帯では、ある。
幸い5月3日は、恵比寿のラ・バルドッサで16:30~19:30という絶好の時間帯でミロンガがあったので大喜びで出かけた。ミロンガは普通20~23時くらいの開催だけれど、バルドッサは祝日にこういう企画をしてくれるので、昨秋も伺うことができた。ここでレッスンしたりしていたわけでもないのに、「ホーム」な感じで温かく迎えてくださるのでたまにしか行けなくても敷居が低くて嬉しい。たとえ知り合いが少なくても、踊っている人たちの幸せな表情を見て良い音楽に浸れれば十分なのだけど、行ってみれば案外顔見知りの方もいらしたし、週末の韓国選手権に出場する仲間たちを励ますひとときもあって楽しい時間になった。
5月4日は、東京国際フォーラムで開かれた「ラ・フォル・ジュルネ」に行ってきた。
このイベントはテレビでも度々紹介されているので知っていたけれど、これまでは行く機会がなかった。少し前にひょんなことからアコーディオン奏者のリシャール・ガリアーノがここに来るというのを聞いてタイムテーブルを調べてみたら、4日17:45~18:30という奇跡的に私が行ける時間だったので、残り数枚になっていたチケットの1枚をゲットしておいたのだ。せっかくだから、もう一本前の時間帯のコンサートも聞こうかとも思ったのだけど、イベント全体を楽しむ企画もあるようなので、今回は聞くのはガリアーノ1本にした。
16時前に会場に着くと、屋外の屋台村からいい匂いがしてくる。ケバブ、ソーセージ、カレー、焼きそばなどなどある中から、「エビパッポンカレー」をチョイス。思ったより辛くなくて美味しかった。
そのあと地下のホールEに降りると無料コンサートが始まっていた。席はもちろん埋まり大勢の立ち見。メキシコとコロンビアのアーティストによるフォルクローレ系の音楽だったのだけど、ああいうビートのある音楽をあまりに大勢の人が微動だにしないで聞いているのがなんだか居心地が悪くなったので、2曲半聞いてそこを離れ、周りに置かれた音楽関係企業のブースや物販コーナーを見て回る。実は私、こういう場所の物販コーナーを見るのが好きである。たいして珍しいものがあるわけではないとわかっていても、ひょっとすると気に入るものがあるかもしれない、とついつい端から端まで見てしまう。
Tシャツと少しお土産を買ったらレジで結構並んだので、トイレに寄ってホールCに入ったときはもう開演寸前!あまりにぎりぎりだったせいかプログラムをもらえなかったのだけど(周りの人が持っていたのでそういうものが配られていたと知る)、ピアソラ~ハチャトリアン~バッハ~ヴィヴァルディと知っている曲ばかりだったのでノープロブレム。口開けのピアソラのとき音が丸い感じで、3階席だからこんなものなのだろうか、と思っていたらあとになってもっとキレが良くなってきたので、PAの作りの問題だったよう。ホントはピアソラが一番とんがってて欲しかったんだけど。アコーディオンと弦楽六重奏というスタイルはたぶん初めて聞いたけれど、弦はやはりバッハ~ヴィヴァルディがよかった。ガリアーノのアコーディオンは「どうだ!」という感じがなくて、なのにすごく難しいことをさらっと弾いていてかっこよかった。でも、やっぱりフランス人、アンコールのミュゼット調自作曲が一番しっくりきてたかな。
それにしても、ホールで聴くコンサートっていったいいつ以来だっただろう。。。
5月5日、鹿児島から夫の従兄が東京に用事があるので寄りたい、と言ってきたのが数週間前。午後の早い時間、ナースが来る前なら、とわがままを言い、バスに乗ったというメールを見てバス停まで迎えに出ると、最初に降りてきた従兄の後ろからお連れ合いとふたりの娘さんも!え~みんなで来るなんて聞いてない~ 嬉しいサプライズ。みんなに会うのは5年前夫の病気が分かって、この先もう来られないかもしれないからと二人で鹿児島を訪れて以来。あの時も5月4~5日一泊だったので、きっかり5年ぶりだ。今回は長男の結婚相手が決まり、そちらのご家族への挨拶のために新潟と東京に出かけてきたのだという。(長男は一足先に鹿児島に帰ったので我が家には来られず。)みんな全然変わってないし従兄も老けてない、と思ったけど、この間心臓ペースメーカーを入れたり弁を生体弁に替えたりと大手術も経験したそうで、鹿児島人だから芋焼酎をぐいぐい飲んでいた従兄が今は飲まないと言う。それでも飛行機に乗ってこちらまでやって来られるほど元気なのだから、それがなによりだ。義母の話やほかのいとこたちの話、夫が小学生の時一家で鹿児島を訪れた時の写真を持ってきてくれてその時の話もして、楽しいひと時を過ごすことができた。
考えてみれば、盆暮れ正月ではないときに親戚と会うには、この連休はいい時期なのかもしれない。行事に振り回されず、明るい光の中で思い出話や若い人たちの将来のことを話すのは実に気持ちの良いものではないか。
とまあ、こんな感じの連休だったわけだけど、実は前週末は夫の体調が芳しくなかった。
気管の痰がなかなか排出できず呼吸困難状態で、度々カフアシストを使ったりタッピングをしたりしていて、ひとりの時に急変することも考えられますとDr.にも言われるくらいだったのだ。
幸い頑固に張り付いていた痰を取ることができて、また新たに処方してもらった薬の効果もあって落ち着いたので、私も連休を予定通りに過ごすことができたのだった。
ALSの場合「突然の呼吸困難により・・・」というのは度々耳にしていたことで、その覚悟はできているのだけど、あまり苦しいのはかわいそうなのでなんとか穏やかに過ごしていければなあ、と思うのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿