日曜日、この表紙に絵が採用されている友人の個展に立ち寄り購入。
彼女は画材を担いで山に登り、その場で作品を描くスタイル。どっぷり都会生活の私と違って自然に入り込んで暮らす彼女に、たとえば丹沢などの身近な山で気象変化などの影響を感じているか尋ねてみたら、びっくりするような話が返ってきた。
山がとにかく荒れていて、彼女自身はもう行く気がしないし危ないところになっている、というのだ。長年の東名高速道路からの排気ガスと沿岸工業地域から風に乗って流れて来る汚れた空気、獣害、気候変動など、もろもろの影響で、いま斜面に下草が全くない状態のところが多く、それは「掃除機をかけたみたい」にまったくないそうだ。そこへ、以前に比べて増える豪雨、そして去年の24号のような猛烈な風の台風が来襲することで、木は倒れ、その倒れ方と言ったら「割り箸を100万本ばらまいたみたい」でかつて林道であったところももはやそこを通ることはあきらめるしかない状態。そして、木が倒れ下草の藪もないところに雨が降れば山の地面自体が持ちこたえられず崩れていく。
もっと登山客が来るような所ならお金をかけて整備もするのだろうけれど、丹沢のようなところはそのまま。そして、そうしたところに、身近な山だからと経験浅い年配登山者が入っていくことを想像するとちょっとぞっとするし、山体崩壊など起きれば大災害だ。こういう場所は、丹沢以外にも全国いたるところにあって不思議ではない。
今のこの国の社会は、本当によくない方向にまっしぐらでそれも暗澹たる思いにさせられるのだけど、自然環境も危ない方向にどんどん変化しているとしたら、なんだか救いがないなあという気にさせられた。
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