2016年4月13日水曜日

今年の桜と誕生会



今年の桜はきれいだった。
世間では、去年も一昨年も同じようにサクラ、桜と言っていたけど、
私の目には原発事故以来、本来の桜の美しさは失われ、
色も花の付きも大きさも、どうにも物足りなく思えた。
名所と言われる場所の木は、そろそろ寿命を迎えるものが多いとも聞いていたから、
もうこれまでのような桜は見られないのかもしれないと思っていた。

しかしあれから5年、今年は本来の桜の美しさが戻ってきたようで、
車で走っていても、あ、あそこ、今度はこっち、と
目に留まるのが嬉しい姿が多かった。
自然は強く、再生しているのだとあらためて感じた一週間余だった。

そんな桜ももう終わる頃、約一週間遅れで夫の誕生会をした。
ALSと診断されてから4回目の誕生日だ。
4年前はまだ動けていたから、日曜の午後野外ミロンガで友人たちと集まり、
みんなで中華街にあるシュラスコ屋へ行ったのだった。

その後はうちに集まってもらって、誕生会をしている。
今夫は口から食べたり飲んだりはしていないので、
みんなと食事をすることはできないけれど、
外出できない夫にとって、仲間と会って話すのは、楽しみな時間だ。

スペイン語圏の習わしに従って、食事はうちで準備し、
うちにはアルコール飲料はないので、各自持参してもらう、という形での開催。
なにかと時間が限られるので、作り置きできるものが中心だったけど、
みんな喜んでくれてホッとした。





Cちゃんが持ってきてくれたケーキに、
HちゃんがHAPPY BIRTHDAYの文字キャンドルを載せてくれたのを
私が代理で吹き消した。



この1年、また時々みんなと会う機会が与えられて穏やかに過ごせますように。