夫は病気で手が不自由になってからは、
手のひら大のトラックボールを足で操ってパソコンを使っていた。
去年それも難しくなりベッド生活になってからは、
スペック・スイッチを足に一個ずつ付けて右クリック、左クリック、
そしてテーブルに取り付けたジョイスティック・マウスのスティック部分にストローをはめて延長し
これを顎で操作する、という「顎足マウス」方式で、PCを自分で使ってきた。
とはいえPCをセットしてしまうと日中ナースやヘルパーの作業の邪魔になるし、
セッティングがなかなか微妙で、私以外の人には難しいということもあり、
PCを使うのは夜寝る直前から、朝目覚めてから私が起きてくるまでの
限られた時間しか使うことはできなくなっていた。
これもいずれ使えなくなることを考えて視線入力ソフト導入の準備をしているのだが、
そのためにPCも新しくしなければいけなかったりで、まだそこにいたらないうちに、
顎足方式が使いにくくなってきたこのごろ。
それでもDrや友人とのメールのやり取り、SNSの投稿など最低限のことは続けていきたいので、夫のテーブルに置いたPCを私が後ろから操作する二人羽織方式をやってみた。しかし、こちらの立ち位置が難しいし、液晶画面を夫に合わせるとこちらは見えないし、なかなか思うに任せない。
そこでリビングのTVにディスプレイを映し出し、夫にそれを見てもらって、
私が本体で操作する、というのをやってみたのだが、
TVは夫から斜め方向に有り、画像は見られても文字を読むのは難しい。
それではとワイヤレスキーボードを入手し、
去年顎足マウスに到達する前に試しに購入したワイヤレスマウスと組み合わせ、
本体は夫の正面に置き、私がTV画面を見てワイヤレス機器で操作する、
という方式で、なんとか最低限の作業はこなせるようになった。
ほかにも雑誌記事等はスクロールすれば読める状態にセットして、
矢印のところにポインタを置き、足に左クリックのスイッチを付けて
自分でスクロールして読む、というのもできている。
パソコン操作を専門にしていた夫からすれば、なんとも歯がゆいし、
コメントなどの書き込みをする余裕もなく、ストレスが多いことだろうと思う。
準備中の視線入力が早く上手く使えるようになって、
また夫が生き生きと外の世界とコミュニケーション取れるようになるとよいのだが。