2018年10月14日日曜日

鉄瓶で白湯

「白湯」がただ水を沸かして湯にしたもの、でない事を知ったのはいつだったか。
とにかく、大人になってだいぶたってからのことだった。
15~20分くらいは沸騰し続けておいたものが「白湯」。
これを薄めないで、熱々でもなくしかし冷ましすぎずに飲むのが身体に良いと、
あちこちで言われるのを目にするようになったのは、ここ数年のこと。
だからといって、自分がどうこうとは思っていなかった。

夫が口からお茶などを飲むのが難しくなってから、水分補給は主にスポーツドリンクになった。1リットルの水に溶かす粉末のものを作っていて、夫が亡くなった後そのストックが残っていたので、外出時に持ち歩く水分として引き続きそれを使っていた。今年は早くから暑い日があったので、ストックがなくなってからも以前と同じように冷蔵庫に作っておく習慣が続き、酷暑時には大活躍だった。

暑さが少し和らいできたとき、ふと「白湯」のことを思い出した。
寒い時期はスポーツドリンクより「白湯」がいいかもしれない。

うちでは普段、お湯は電気ポットで沸かして保温したのを使っていて、薬缶はしまいこんである。それを出して作るか、と思ったとき、そういえば夫が結婚前に持っていた鉄瓶があったな、あれで作ったほうがいいのではないか、と思いついた。
そう、昔の人は長火鉢に鉄瓶かけていて、そこから注いだ白湯を飲んでいたではないか。

屋根裏収納を覗いてみると、果たして鉄瓶があった。
中を見ると点々と赤錆が見える。そうだった、だからもう使わなくなったのだと言っていたっけ。
今は、インターネットという便利なものがあるので、「鉄瓶、赤錆」で検索してみると、いくつか対処法が見つかった。
米のとぎ汁を何度か沸かすというもの、そして緑茶をお茶パックに入れて煮ると言うもの。お茶のほうがすぐあるので、こちらにしてみる。「8分目くらい入れた水が2分目くらいになるまで沸かす、を3度くらい繰り返して、赤水が出なければ大丈夫」とあるので、やってみた。実際には3度やったのでは、まだうっすら赤い感じがしたので、日を改めてまた3度、だいたいきれいになったように見えたけれど、細かい汚れのようなもの{錆のかけら?)が出たので、また別の日にもう1サイクルやった。
それから改めて参考にしたサイトの記事をよく読んでみたら、内側に白い水垢がつくとよい、と書いてあり、これはミネラルウォーターを沸かすとすぐにつく、とあったので、それもやっておいた。だいたい、錆が出ても身体に毒ではないから気にするかどうかのレベルの話だし、これでよしとする。

白湯は、飲むタイミングも気をつけたほうがよいらしく、朝起きぬけ(就寝中に抜けた水分の補給)や寝る前(寝つきがよくなる)はよいが、食後は消化機能が低下してしまうのでよくない、などの注意が必要、というのはさっき見たサイトに書いてあった。
私は夜白湯を作っておいて、寝る前に飲むのと、保温容器に入れておいて夜中に目が覚めたとき、そして朝起きたときに飲んでいる。朝食後の薬を飲むときにも飲んでいるけど、食後はよくないか。。。

鉄瓶で沸かして飲む、というのに慣れてくると、なぜこれを夫のためにしてやらなかったのか、とまた後悔のタネになるしそんな心の余裕もなくなっていた自分が疎ましいけれど、そんなことを言っても仕方がない。せいぜい良い習慣は続けることにしよう。