九州は、好きだ。
修学旅行で行った、博多、臼杵、熊本、長崎、平戸に始まり、
仕事や観光などで福岡、長崎、小倉は何度か訪れた。
夫の母が鹿児島の人だったので、数回だが親戚を訪ねたこともある。
いまは、タンゴを通じて知り合った友人たちも福岡や大分にいて、
関東以外では、九州に身近な知り合いが一番多くなった。
今住んでいるところと違うどこか別の地方に住むなら、九州だろうと思う。
昔から他国との交易があったりして、人々の精神性が外に開いていて、
つまらない東京コンプレックスがないのがいい。
男尊女卑で保守的と言われるけれど、
なかなかどうして九州の女たちは、どっしり頼りがいがあって、
自分の足場をしっかり固めている。そういうところも好きだ。
普通に町で買い物などをして接する人たちもみんな優しくて、感じが良いし。
それになんと言っても
食べ物が美味しい!
だからといって、私はお取り寄せ、というのはあまり好まない。
土地のものをそこで頂くから美味しいのだし、
一番美味しいものは外に出してやしない、と思うからだ。
だが、毎年春に地元のデパートで開かれるイベント
「大九州展」は例外だ。地元の人達がいいものを持って来てくれるので
いつも楽しみにしている。
今年は初日のきょう、行ってきた。
まずはイートインで長浜ラーメンを。
とんこつは実はあまり得意ではない。
疲れている時に食べて胃をやられたことがあるのだ。
このラーメンは豚骨の下処理を丁寧にしているという触れ込み通り、
くせのない食べやすくコラーゲンとろとろのスープで美味しかった。
さてお買い物。美味しいものはたくさんあるけれど、
いまは食べるのは私一人なので、そういろいろ買い込んだりはできない。
冷凍しておけるきびなごやちりめん、干物
からし蓮根
知覧茶
などを買い込んだ。
残念だったのは、いつも来ていた老舗のつけ揚げ屋さんもかるかん屋さんも来ていなくて、つけあげもかるかんもあくまきも買えなかったこと。シクシク
この「大九州展」ここ数年4月に移動したりしていたのが、
今年はまた以前のように3月のこの時期に戻ってきた。
そうなのだ。5年前のあの日は「大九州展」の真っ最中だった。
あの日私はニュースの仕事で18時入りだったので、
いつもなら15時頃買い物に行って16時過ぎに戻って家に荷物を置き、仕事に行く、
というパターンなのに、何故かあの日は先に買い物に行って、
つけあげだの、からし蓮根だの、きびなごだのをうきうきと冷蔵庫にしまっているとき、グラグラときたのだった。
夫は公務員だからきょうはもう帰れないだろうが職場にいる限りは大丈夫、
こちらも仕事に行ったらいつ戻れるかわからないけど、行かねば。
「とりあえず、冷蔵庫に食べ物はある」
と安心したのを思い出す。
毎年楽しみなイベントだけど、あの日と被災地に思いを馳せる機会でもあるのだ。